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無名の有料アプリをマネタイズするたった2つの方法

2016年02月25日 11時00分更新

文●池村 修/エキサイト

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「インストールされない」「使われない」「儲からない」ーー100本超のアプリ運用実績を持つ「エキサイト株式会社」の事例から、アプリを失敗で終わらせないためのノウハウを学ぶ書籍事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで。本書の中から、現場ですぐに使える「鉄則」を厳選して紹介します。

無料アプリが席巻するアプリストアで、有料アプリを売るのは至難の業です。体験版やセールを効果的に仕掛けて収益化を目指しましょう。

知名度が高いアプリは有料アプリに有利

「有料アプリ」は、販売価格を設定してアプリ配信し、ユーザーがアプリをダウンロードするときに料金を徴収するマネタイズ手法です。販売価格は、AppStoreでは120円〜11万8800円、Google Playでは99円〜2万円の間で自由に設定できます。設定した価格の30%がアップルやグーグルの販売手数料として差し引かれて開発者に支払われます。

有料アプリは誰でもリリースでき、ダウンロード数がそのまま売上に直結するのが魅力ですが、無料アプリが席巻するアプリストアで収益化を図るのは簡単ではありません。アプリストアで有料アプリのランキングを見ると、上位にはテレビCMで見かけるような誰もが知っている有名ゲームアプリがずらりと並んでいます。すでに知名度があるサービスはともかく、大きな売上を狙うには大規模なプロモーションを仕掛ける必要があります。

制限付きの無料体験版アプリから有料アプリへと誘導する

知名度のないアプリが有料アプリで成功する方法の1つが、機能や利用時間に制限を設けた体験版の無料アプリを配信し、気に入ったユーザーを制限のない有料版アプリへ誘導する、いわゆる「フリーミアムモデル」です。

エキサイトの「音ケア」ではこのフリーミリアムモデルを取り組みました。「音ケア」は、音を聞きながらヨガをするアプリで、有料版は4つのコンテンツ、無料版の「音ケアLITE」は1つのコンテンツのみを提供します。無料版で体験して気に入ったら、有料版「音ケア」を購入できるように導線を設計しました。

結果、音ケアLITEから音ケアへの送客ができ、体験版の無料アプリから有料アプリへの誘導は一定の効果があるとわかりました。

有料アプリの大幅値下げセールを期間限定で実施

有料アプリで収益を伸ばすもう1つの方法が、セールや無料キャンペーンを仕掛ける方法です。2012〜2013年の年末年始にアップルが実施した「iTunes12 DAYS」に、エキサイトの有料アプリ「おとえほん」が選出されました。iTunes 12 DAYSは、12種類の有料アプリを1日限定の日替わりで無料にするキャンペーンです。

「おとえほん」は複数の姉妹アプリをシリーズで有料で提供しています。このチャンスを利用し、普段は500円で販売しているシリーズのアプリをiTunes12 DAYSの当日のみ半額の250円で販売しました。

App Storeで「おとえほんシリーズ」として露出されたこともあり、無料配布の「おとえほん」が1日で32万件ダウンロードされただけでなく、半額で販売した「おとえほんシリーズ」も計7000件のダウンロードを記録しました。たった1日で180万円近くの売上と大成功を収めました。

有料アプリは知名度に左右されがちですが、体験版やキャンペーンなどの工夫次第で収益化を狙うことは不可能ではありません。あきらめずにトライ&エラーを繰り返していくことが大切です。

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