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いちばんやさしいグロースハック 今すぐできる施策4つ

2016年01月21日 14時08分更新

文●Web Professional編集部

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お金をかけずにユーザーを集めたり、リテンションを高めたりしてアプリやサービスを成長させるしくみを作る手法「グロースハック」。「なんとなく言葉は聞いたことはあるけど、具体的にどんな施策があるのかよくわからない」という人も多いのでは?

グロースハックの対象はWebサービスやビジネス全体などさまざまですが、中でも競争が激しい「スマートフォンアプリ」ではグロースハックは必須の取り組み。そこで、「エキサイトニュース」「Dモーニング」など、スマートフォンアプリをこれまでに100本以上リリース、運用した経験を持つエキサイトのスマートデバイスチームに、非ゲームアプリで使える具体的なグロースハック施策を教えてもらいました。

プッシュ通知でグロースハック

DAUアップに必ず導入したい、“鉄板”のグロースハック施策が、プッシュ通知です。プッシュ通知はアプリを起動していなくてもユーザーに通知を送れるしくみで、エキサイトでは導入によりDAU(Daily Active User)が120%に急上昇した事例もあるとのこと。

プッシュ通知といえば、ニュースのような更新頻度の高いアプリでしか使えないイメージがありますが、実は更新頻度が少ないアプリでも活用できます。たとえば、エキサイトの「寝たまんまヨガ」というアプリでは、初回起動時にコンテンツデータをバックグラウンドでダウンロードし、ダウンロードが完了したことをプッシュ通知で知らせています。これにより、ダウンロード中に他のアプリに移動してしまったユーザーの再訪を促進しているのです。

プッシュ通知でグロースハック

プッシュ通知で再訪を促す

たとえば、レシピアプリなら旬の素材を使ったメニューをお知らせしたり、健康管理アプリなら一定期間起動しないユーザーに起動を呼びかけたり。プッシュ通知はどんなアプリでも使えるグロースハックです。

SNSで拡散するダイアログを表示するグロースハック

広告などの費用をかけずにユーザーを獲得するのに効果的なのが、クチコミで広める方法です。といっても、クチコミが自然に起きるのを待っていてはダメ。「友達に勧めませんか?」といったダイアログを表示し、ソーシャルメディアやメールへリンクします。実際に使っているユーザー自身のオススメなので、信ぴょう性が高く、高い効果が期待できます。

SNSで拡散するダイアログを表示するグロースハック

ダイアログの効果検証をする

ただし、やみくもにダイアログを表示するのは逆効果。表示するタイミングや文言をA/Bテストで改善することが大切です。エキサイトの事例では、表示する時間帯を朝から夜に変えるだけでも効果に明らかな差があったそうです。また、Yahoo! リアルタイム検索などでアプリ名を検索し、ユーザーがつぶやいているポジティブな感想を文言にプリセットすると拡散しやすい、とのテクニックも教えてもらいました。

★5レビューを増やして新規獲得グロースハック

ほとんどのユーザーは最終的にアプリストアのレビューを参考にして実際にアプリをダウンロードするかどうかを決めています。そこで、高評価のレビューをストア内に増やして、新規ユーザーを獲得するグロースハックがあります。

アプリをダウンロードして実際に使っているユーザーを対象に、「レビューのお願い」をダイアログで表示する方法です。何らかのアプリを使っていたら、一度や二度、見たことがあるのでは?

★5レビューを増やして新規獲得グロースハック

レビュー依頼でレビュー数が増加した

ポイントは、ダイアログを表示する対象を「絞る」こと。初めて起動したユーザーなのにいきなりレビューを依頼されても、うっとうしいだけですよね。そこで、アプリの起動回数が多く、利用時間が長い「へビーユーザー」にだけ、依頼するのです。

アプリをよく使っているということは、それだけ、気に入っている証拠。これなら、「アプリの良さ」や「もっと改善して欲しい点」など、愛のある評価を集られます。

他アプリからの流入で新規ユーザーを獲得するグロースハック

インストール数を短期的に増やしたいけど、マーケティング予算がなくて広告を出せないときは、他のアプリとの間でユーザーを相互に送客する方法が使えます。他のアプリの広告を自社アプリに掲載する代わりに、相手のアプリに自社アプリの広告を掲載してもらい、新規ユーザーを獲得するグロースハックです。エキサイトの事例では、広告費用換算で数十万円の新規ユーザー獲得効果が得られたとのこと。具体的には以下のようなダイアログを表示します。

他アプリからの流入で新規ユーザーを獲得するグロースハック

アプリの相互送客画面

ただし、出し方や頻度を間違えるとユーザーの反感を買ってしまいます。ユーザー層が重なっており、誘導することでユーザーにもメリットがあるアプリとの間で実施しましょう。もちろん、出現タイミングや文言はA/Bテストでのブラッシュアップが必須です。

まだまだあるスマートフォンアプリのグロースハック

「インストールを増やす」「ファンを獲得する」「売上を増やす」手法を87の鉄則にまとめた書籍「『企画からプロモーション、分析、マネタイズまで 事例に学ぶ スマホアプリマーケティングの鉄則87を2016年1月23日に発売します。ここで紹介したグロースハックだけでなく、企画、広報、広告宣伝など、アプリの成長につながる施策を事例とともに「これでもか!」と集めた決定版です。ご購入はAmazon.co.jpなどのネット書店、お近くの大型書店でどうぞ。

企画からプロモーション、分析、マネタイズまで
事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87

エキサイト株式会社 池村修 著

  • 価格:2,700円(本体2,500円)
  • 発売日:2016年1月23日
  • 形態:B5変(208ページ)
  • ISBN:978-4-04-866451-6
  • 発売:KADOKAWA

目次

chapter 1.作る前に知っておきたい「企画・計画」の10鉄則
01.アプリの企画で大事なことはすべてガイドラインに書いてある
02.アップルがすすめる4つのステップでブレないコンセプトを作り込む
03.成功するアプリの企画は「課題」「トラフィック」「市場」で決める
04.ターゲットは「20代女性」よりも「行動」で表現する
05.カスタマージャーニーマップで実装すべき機能を絞り込む
06.アプリのUIデザインは「邪魔しない」配色を守れ
07.ユーザビリティテストで「作る前」にPDCAを回す
08.評価を下げるリリース直後の不具合はテストケースであぶり出す
09.最終品質をベータ版テストと段階リリースで引き上げる
10.アプリマーケは「7つの施策」を「4つのタイミング」で繰り返す
chapter 2.DL数アップに即効性アリ「ASO」の10鉄則
11.ストア露出は最重要プロモーションASOを徹底的に繰り返せ
12.アプリ名は名前にあらず! キーワードやコンセプトを盛り込め
13.アプリ名はGoogle Playで磨き上げApp Storeに展開する
14.アイコンは「3つの場所」でライバルと差を付ける
15.スクリーンショットは加工が前提魅力的なコピーで注目度アップ
16.Google Playでは動画と「1枚目画像」を作り込め
17.「刺さる」説明文は短く箇条書きでキーワードを盛り込む
18.App Storeの「キーワード」は検索サジェストで調べる
19.「アップデート説明文」で既存ユーザーをつなぎとめる
20.こまめな「レビュー返信」でユーザー満足度と信頼を得る
chapter 3.DAUアップからシェア拡散まで「アプリ内施策」の13鉄則
21.アプリの運用フェイズではユーザーのアクティブ化に注力せよ
22.どんなアプリでも実は使えるプッシュ通知でDAUアップを狙う
23.独自の「お知らせ」機能でユーザーの満足度を上げる
24.進まない新バージョンへの移行を通知機能を駆使してプッシュする
25.ヘビーユーザーを狙い撃ちして★5レビューを大量獲得
26.予算がないプロモーションに効く「拡散ダイアログ」
27.ディープリンクの導入でWebとアプリを回遊させる
28.App IndexingでGoogleからアプリへユーザーを呼び込む
29.動画ユーザビリティテストで自己満足なアプリを鍛え直す
30.ユーザーの「生の声」から企画時とのズレを発見する
31.アプリ内のメッセージはタグマネージャで磨き上げる
32.ユーザー目線で開発順位を決めるAARRR手法
33.新デバイスにいち早く対応してライバルに差を付ける
chapter 4.費用ゼロからのプロモーション「広報活動・協業」の10鉄則
34.プロモーションの予算がないなら徹底した「広報」で戦う
35.記者の目に止まるプレスリリースは「5つの要素」で書く
36.リリース時以外でもニュースになるタイミングやネタはある
37.DL数アップに効くレビューサイト「攻めの広報」で掲載を狙う
38.フォローしやすい環境づくりでソーシャル拡散力を強化
39.検索ユーザーを待ち受けるランディングページは必ず作る
40.ブログは立派な自社メディアアプリの魅力を直接発信
41.自社アプリ間で相互送客予算ゼロでDL数を引き上げる
42.他社とのバーターで数十万円分の広告効果をタダで得る
43.月2回はセミナーに参加して他社のやり口を取り込む
chapter 5.ユーザーを効率よく確実に集める「広告・宣伝」の14鉄則
44.アプリの有料集客は4大広告手法を使い分ける
45.低予算でDL数を伸ばすならFacebookインストール広告を打つ
46.エンゲージメント広告を活用してFacebookからユーザーを呼び戻す
47.Facebookのセグメントを使い倒してニッチなユーザーを効率よく集める
48.ライバルアプリを研究し尽くして勝てるFacebookバナーを作る
49.Facebook広告の費用はLTV→CPI→CPCの順に決める
50.iOSアプリのプロモーションは手軽なiAdから取り組め
51.デザイナー不要でバナーが作れるiAdA/Bテストでコピーを磨き上げる
52.アプリの集客にも使えるAdWordsで幅広いユーザーにリーチする
53.AdWordsの配信セグメントはいきなり絞らず結果から絞り込む
54.アプリに特化したYouTube広告もAdWordsから出稿できる
55.YouTube動画広告は3つの基本ポイントを押さえる
56.動画広告はきっちりセグメント、しっかりクリエイティブが成功の鍵
57.定着率のいい優良ユーザーは記事広告で捕まえる
chapter 6.成長のヒントをデータから発掘する「分析」の20鉄則
58.分析ツールの「使い分け」でアプリの成長を加速させる
59.アプリストアの売上データから四半期の着地見込みを予測する
60.広告は「運用」がキモ分析・改善サイクルはこう回せ
61.DL数とアプリCVRの低迷をGoogleアナリティクスで改善する
62.Google検索のキーワードからApp Storeでも上位を狙う
63.iOSアプリの優秀な流入元をApp Analyticsで発見して伸ばす
64.ランキングをApp Annieで監視してライバル登場にすばやく対処する
65.Google検索からの集客をSearch Consoleで強化する
66.ソーシャル拡散のヒントをYahoo!リアルタイム検索で発掘する
67.Googleアナリティクスでアクティブユーザーを丸裸にする
68.プッシュ通知をGAで最適化してDAU/MAUを引き上げる
69.初回起動率と離脱スクリーンの改善でリテンションを高める
70.ユーザーをつなぎ止めるべきタイミングをFQ分析で決める
71.課金/非課金ユーザーの違いをカスタムセグメントで見る
72.アプリ内課金の収益・継続率はコホート分析で追いかける
73.「改悪」によるユーザー離れをデベロッパーコンソールで把握する
74.新OSへの対応はリリース後「1週間のシェア」で決める
75.★1の残念なレビューからアプリ改善のヒントを抽出する
76.クラッシュデータを収集してユーザーのアプリ離れを防ぐ
77.撤退のタイミングは「3つの基準」で判断する
chapter 7.課金・広告収入を最大化「マネタイズ」の10鉄則
78.課金か? 広告か? アプリで収益を得る4つの方法
79.知名度のない有料アプリは「戦術」で勝負する
80.アプリ内課金の障壁は「セール」と「プッシュ」で取り除く
81.ユーザーメリットの徹底的な訴求で課金ユーザーは必ず増やせる
82.有料アプリの値付けは「相場+非デジタル価格」で決める
83.ユーザー数だけを追いかけるな! ゴールは収益最大化にあり
84.ユーザーファーストの追求の先に課金モデルの成功はある
85.キャリア系使い放題サービスで定期的な収益を得る
86.広告課金タイプを理解して無料アプリをマネタイズする
87.広告モデルの成功はアドネットワークの選定が鍵
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