(株)東京商工リサーチが22日発表した「通信販売・訪問販売小売業」の倒産状況によると、2015年1~11月の通販・訪販小売業の倒産件数は、前年同期比39.1%増で、過去最多の64件に上ることがわかった。
15年1~11月の通販・訪販小売業の倒産件数は64件で、09年の調査開始から最多だった56件(13年)を上回り、過去最多となった。負債総額は同374.7%増の168億2600万円で、前年の4.7倍増と急増した。負債10億円以上の大型倒産が2件発生したことで、1件当たりの平均負債額は同240.2%増の2億6200万円となった。
業種別の倒産件数は、アパレル関連などの「衣服・身の回り品小売」が最多で同122.2%増の20件、インテリア用品や美術工芸品など「その他」が同30.7%増の17件、家電などの「機械器具小売」が同166.6%増の8件となった。
通販業界は市場の拡大を続け、国内の企業倒産はバブル期並みの低水準で推移しているにもかかわらず、通販・訪販小売業では過去最多の倒産記録を更新した。同社はこの理由として、円安の加速で輸入品などのコストが上昇し、価格競争で企業体力が消耗していること、消費者の嗜好変化が評判に敏感に左右される点、同業と比較して「強み」がないと淘汰されるスピードが速くなっている点を挙げた。