早いものでもう大みそかだ。大掃除がてら、モニターのホコリを落とし、マウスの手垢を落とし、キーボードもキートップを外してキレイにした人もいるだろう。
東プレの「REALFORCE」や、PFUの「Happy Hacking Keyboard」、ロジクールの「MX Master」といった高級品ならいざしらず、廉価な製品のユーザーであればいっそのこと買い換えるという手段もある。
ならば、タイを目指してみるのは一つの手だ。なぜ突拍子もなくタイなのか? タイには日本愛にあふれたPCアクセサリーがあるからだ。
パッケージに日本語が書いてあるが
日本企業ではない「アニテック」
タイ人は親日な人ばかりだ。あまり親日というタグでくくりたくはないが、その気持ちを差し引いても親日としか言いようがない。
そんなタイの首都のバンコクでも、地方都市でも、その電脳街の複数のPCショップで、カタカナで「アニテック(anitech)」という謎のメーカーの商品が売られているのだ。アニテックはバンコクの郊外に本社があり、日本の企業ではない。
変な日本語というと、中国さを出さずに日本企業を自称する「メイソウ(名創優品)」の商品に書かれた、破綻した日本語を思い出す人もいよう。
または、かつて見たようなマザーボードなどの板モノの説明書に書かれた、間違った日本語を思い出すかもしれない。
しかし、アニテックの日本語(タイでみかける日本語)は基本破綻してはいない。例えるなら、日本のマンションにつけられた横文字の名前のような、名づけ方なのである。
タイの電脳街は寂しくなった。以前はメーカーPCや自作PCパーツを販売するPCショップが軒を連ねた「パンティッププラザ」や「フォーチュンシティ」という電脳ビルでは、やはり時代の流れで、中の多くのPCショップが、スマートフォンショップに変わっている。
モバイルでも個性があるタイオリジナルの製品があればまだいい。だが、タイは、FacebookやInstagramがブームであることからもわかるように、海外のハード・ソフトを受け入れてきて、タイならではのモノが出にくい土壌となっている。
中国のようにオリジナル製品が次から次へと出てくるわけではないのだ。唯一気を吐くのは、タイで一定のシェア獲得に成功したimobileという携帯電話・スマートフォンメーカーだが、残念ながら「これ!」といえるような尖った機種はないようで、人気も低下中であり、かつiPhoneやGalaxyに人気が集中している。
タイの電脳街も見る価値がなくなってしまったのか……そんな考えがよぎった筆者の目に入ったのが「アニテック」である。
よく見たら沢山のショップでアニテック製品を扱っているではないか。その製品のパッケージやデザインに惚れ、年の瀬ということもあって、マウス、スピーカー、イヤフォン、ゲームパッドを購入してしまった。
(次ページに続く、「破綻はしていないが、やや変な日本語があちこちに」)
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