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BlackBerryに光明? 2年ぶりのプラス成長を達成、ソフトウェアとサービス戦略が軌道に

2015年12月21日 22時00分更新

文● 末岡洋子

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 BlackBerryは12月18日、会計年度2016年第3四半期(2015年9~11月期)の業績報告を発表した。売上高は前年同期比14%増の5億5700万ドルとなり、2年ぶりで前年同期比でプラス成長となった。11月に発売開始したAndroidベースのスマートフォン「PRIV」は来年初頭にも31ヵ国で展開するという。

Android搭載のBlackBerry PRIV

 非GAAPに基づく売上高は前年同期と比べて14%増加し、5億5700万ドルとなった。1500万ドル(1株あたり利益は0.03ドル)の損失を計上したが、売上高が前年同期比ベースで成長するのは9四半期ぶりとReutersは記している。

 事業分野別には、注力分野と位置付けているソフトウェアとサービスが前年同期から183%増で成長し、1億6200万ドルとなった。前四半期(2016年第2四半期)と比較すると119%の増加で、5四半期連続で2桁成長を遂げたという。

 今期は初めて、ソフトウェアアクセス料金(SAF)の減少を相殺した格好となった。これは、同社CEOのJohn Chen氏が2014年に発表した戦略に沿った結果だと報告している。BlackBerryによるとソフトウェアとサービスは全売上高の29%を占め、ソフトウェアアクセス料金(SAF)は31%、ハードウェアとその他が40%としている。Chen氏は「ソフトウェアとサービスの売り上げをデバイスと同等にしたい」としており、あと1〜2四半期後に実現できる見通しを示している。

 同期には新たに2713件のエンタープライズ顧客を獲得した。エンタープライズの加入者数は約2万5000人で、多くが金融など規制の厳しい業界や行政機関だという。

 ハードウェア側では同期、70万台のデバイスを販売した。これは前年同期から10万台のマイナスとなる。一方で平均販売価格(ASP)は240ドルから315ドルに上昇した。

 第3四半期のハイライトとしては、11月に初のAndroidベースのスマートフォン「PRIV」を投入したこと。PRIVについては、現在カナダ、米国などで正式に提供されているが、第4四半期(2015年12月~2016年2月)中には31ヵ国に拡大する計画とのこと。PRIVのユーザーとしては、既存のAndroidデバイスユーザーからの乗り換えに加え、iOSから乗り換えるユーザーもいるという。Chen氏はPRIVに続く新しいAndroidスマートフォン開発の可能性も示唆している。

 また、ソフトウェアとサービス強化の一環として行ったモバイルセキュリティのGood Technology、緊急通信ソリューションのAtHocの買収が完了したことも報告。Chen氏はGood TechnologyやAtHocをはじめ、その前に買収完了しているSecusmartなどの技術は今後、エンタープライズモビリティソリューションに統合していくとしている。

 BlackBerryは1月のCESでIoTが関連したイニシアティブと製品、それにQNXプラットフォームをベースとした車用の技術を明らかにする予定という。


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