脳内に実在した「クリスマス・スピリット(過去と現在と未来の精霊)」
脳研究で「クリスマスを楽しむ人」と「クリスマスを楽しめない人」の差が明らかに
2015年12月21日 16時03分更新
英医学誌BMJ(British Medical journal)は12月16日、ヒトの脳には「クリスマス・スピリット」が存在するという研究結果を掲載した。
これはデンマーク・コペンハーゲン大学脳神経センターなどの研究者達によるもの。クリスマスシーズンが近づくたびに憂鬱になる「クリスマス・スピリット欠乏症:Bah humbug症候群(※)」に苦しむ人の数百万人への救済となる可能性があるとしている。
研究チームではボランティアを集め、アンケートによってクリスマスを楽しめる「クリスマス・グループ」と、クリスマスを楽しめない「非クリスマス・グループ」にグループ分けした。被験者にクリスマス関連画像や関係のない画像を見せつつfMRI(核磁気共鳴画像装置を利用した脳内血流測定方法)によって脳活動を測定した。
その結果、クリスマス・グループと非クリスマス・グループでは、クリスマス関連画像を見た際の脳の一部の活動において有意な差があることが分かった。この脳領域は、楽しい感情を共有する際の皮質や、顔感情の認識や社会的な繋がりに関連する部位であるという。
研究者たちは「クリスマスの精神」が正確に突き止められたことにより、世界中の「クリスマスの精神欠乏症」に苦しむ患者を助ける第一歩になるとしており、さらに他の季節の祝い事や祭りでも同様の楽しめる脳内部位が存在するかどうかも研究課題になりうるとしている。
なお、BMJは1840年創刊の歴史ある医学誌。現在において世界的にも非常に権威ある医学誌のひとつだが、12月はクリスマス特集としておもしろおかしい論文を掲載するのが恒例行事となっている。この論文もクリスマス特集の一環として掲載されたものだが、どうやら研究自体はきちんと実施し、内容的には信頼がおけると思われる。
※Bah humbug:チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」におけるスクルージの台詞、意味は「ばかばかしい、見せかけだけのものだ」。日本語ではおもに「くだらないことだ!」などと訳される)。また、クリスマス・スピリットはスクルージの前に現れるクリスマスの精霊のこと。