メインのプログラミング言語としての可能性を秘めるSwift
最初の登壇者は、スコット・チャコン氏。
「Open Sourcing Swift Innovation on GitHub」と題して、Swiftがオープンソース化したことによってどのようなことが起こったのかを紹介してくれました。
GitHubは2008年に米国サンフランシスコに設立された企業で、現在は、1200万人の開発者が参加し、3000万件のリポジトリ(ソースコード)が管理されているとのこと。チャコン氏は、オープンソースには新しい波が到来しており、大手企業がこぞって参加しはじめている現状をアピール。
例えば、米ツイッター社は「Open Source at Twitter」というオープンソースのプロジェクトサイトを立ち上げています。中でも特に「Bootstrap」と呼ばれるプロジェクトに人気が集まっているそうです。Bootstrapとは、ウェブのUI/UXなどを簡単に整えられるフロントエンドツールと呼ばれるものです。
米マイクロソフト社も自社の主要な開発環境である「.NET Core」をオープンソース化して、数千のプロジェクトを公開しています。この一連の動きで凄かったのは、2014年11月12日にオープンソース化を宣言し、早くも2015年1月28日の時点で、コミニュニティーを形成する開発者が社内よりも社外のほうが多くなったこと。Mac OSやLinuxなどの別のプラットフォームに対応することも影響したと思われますが、多くの開発者がプロジェクトに加わることで、開発環境の整備がこれまで以上に早く整うことが期待できますね。
チャコン氏はそれ以外のオープンソースの大きな動きとして、米フェイスブック社の「React Native」(ネイティブアプリを開発可能なJavaScriptのSDK)と「Big Sur」(オープンソースハードウェア)、マイクロソフト社の「Visual Studio Code」(IDE、統合開発環境)、米グーグル社の「TensorFlow」(機械学習ライブラリ)などを挙げていました。
そして今回、GitHub上でSwiftがオープンソースとなりました。12月3日にオープンソース化したにもかかわらず、早くも500件を超えるプリリクエストが寄せられ、その中の349件はすでに反映されているというスピード感に驚きです。コミット数は500件以上、変更されたファイルは8000件以上だそうです。
チャコン氏は、オープンソース化されてすぐにこれだけ活発な動きを見せたことは驚きで「Swiftはメインの言語になるのでは」と語っていました。