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間下社長に聞くロボティクス事業の狙い

V-CUBEが挑むドローン×Web会議、空から現場を変革せよ!

2015年12月11日 09時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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実証実験に見る実用例

 広島県の常石造船は、造船所(工場)の設備点検および情報収集に活用。天井やクレーンの高所部分、あるいはブロック配置など工場の稼働状況をドローンで撮影し、映像によるリアルタイムの確認が、保守点検や工程管理に有効かを検証した。

 同社では、資材の位置が変わっていて広大な敷地を探さなければいけないことがあり、業務開始前にまずドローンで計画通りに資材が置いてあるかを確認するような使い方をしたという。また、海外の工場で油流出事故などが起きた際の調査用途も検討。「事故発生から連絡がくるまでのタイムラグを縮められるのは便利」といった声が挙がったという。

常石造船は巨大な工場で設備点検や情報収集に活用

 福島県郡山市では、災害時の被災状況や公共施設の老朽化、交通渋滞の把握や空間放射線量測定などさまざまな用途を検討し、実際に2016年度の実配備を予定している。5月に開成山陸上競技場で行った実証実験では、ドローンに対する理解を深めるため、職員約100名に向けて飛行デモを行った。

 間下氏によれば「実際にドローンが飛んでいるのを見たことがある人はまだ少ない。官邸での墜落もあって危険というイメージが先行しているため、実際に見てもらうのも重要」とのことだ。郡山市ではドローンの有用性を実感するところから、現在は実際にどう使えるかを各部局で考えているという。

郡山市では2016年にも実配備する予定

 和歌山県田辺市では、橋梁などの定期点検を想定し、ドローンの映像を遠隔地で表示して目視点検に耐えられるか、主に画像精度に関する実証実験を行った。具体的には田辺市新庄総合公園にて、野外音楽堂などの大型施設を撮影し、その様子を田辺市消防本部で確認。その結果、課題として「もっと近くに寄れないか」「上は見えないか」という声が挙がったという。

和歌山県は画像精度を検証。防災活用を想定する

 Inspire 1ではカメラズームや赤外線撮影ができず、ハード的な制限が課題になることが分かったことから、神奈川県ではドローンのカスタマイズが実用上可能かどうかも検証された。

 実際には水難救助に活用。ドローンで水難救助者を捜索し、搭載した浮き輪を投下した。拡声器も付いていて、これらはカスタマイズでさまざまなハードウェアに付け替えできるそうだ。「装備を付け替えられることで、幅広い利用ができそうだと確認できた」(同氏)という。

神奈川県は水難救助に活用

将来的には街中での利用も

 こうしてみると、自治体の災害対策と工場・インフラの設備点検が当初の用途としては有力候補となりそうだ。しかし、将来的には、物流などのデリバリーや街中での利用も見据えている。

 「例えば、街中だと、火災時にいち早く現場を知りたいというニーズがある。通報があってから現場に着くまで数十分、状況によってはそれから応援を呼ぶこともあり、事前に少しでも状況が把握できる効果は高いとされている。田辺市の実証実験はまさに消防本部と現場をつなぐ事例といえる。今後は都心での活用も広がるのでは」(同氏)

 もちろん、ドローン規制も具体的には決まっておらず、街中での利用はいまだ五里霧中である。だが「飛行体が携帯電話通信網を利用するのがグレーだったように、ハードルとなっていた電波法の改正に向けた意思も見えてきたし、街中での利用も自治体の緊急用途においては“密集地の飛行禁止”から除外される見込み。官邸からのメッセージを見てもわかるように、有効活用しようという方向に進みそうだ」(同氏)という。

 街中での活用や自動操縦はまだ先の話だが、ブイキューブでは手動操縦の製品を2016年春にも販売する予定だ。「実証実験を通じてニーズや収益性が確認でき、本格的に事業化するめどが立った」(同氏)として、2015年10月にはロボット関連の子会社「ブイキューブ・ロボティクス・ジャパン」を設立。「製品化する際には、ハードウェア、Web会議、(ドローンを扱う上での)保険、運用保守をパッケージ化して年額で提供するイメージになる」(同氏)としている。

 趣味の範疇を超えて、産業に役立つドローンが空を飛び交う日も近そうである。

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