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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第434回

這いつくばらないで撮れる! 塀の上の猫たち

2015年11月27日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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路地の奥にいた人なつこい板塀猫。近所の人気者らしく、いろんな人に声をかけられたり撫でられたりしてた。このあたりの飼い猫ですな(2015年10月 オリンパス OM-D E-M1)

路地の奥にいた人なつこい板塀猫。近所の人気者らしく、いろんな人に声をかけられたり撫でられたりしてた。このあたりの飼い猫ですな(2015年10月 オリンパス OM-D E-M1)

 本連載のタイトルは「這いつくばって猫に近づけ」なのだが、這いつくばらなくても撮れる猫のお気に入りスポットがある。「塀の上」である。

 「塀の上を歩く」というと昔から、合法違法スレスレのところを綱渡る的ニュアンスで使われるが(「刑務所の塀の上を歩く」とか)、「塀の上を歩く」でググると見事に猫写真がたくさん出てきたというわけで、塀の上編。

 塀の上は下から撮ったり上から撮ったりフラットに撮ったり正面から撮ったり横から撮ったり斜めから撮ったりと撮り方次第で雰囲気を作れるからいい。

 同じ場所で見上げたり見下ろしたりしてみたのでそこからどうぞ。

広角で塀の上にいる猫を下から見上げてみた。きりっとしたハチワレ系の猫。きりっとした感じに撮れる(2015年7月 富士フイルム X-T1)

広角で塀の上にいる猫を下から見上げてみた。きりっとしたハチワレ系の猫。きりっとした感じに撮れる(2015年7月 富士フイルム X-T1)

同じ猫を今度は見下ろして見た。すると塀の中に猫ハウスともう1匹の猫が! ちょっと裏を覗く感じがよいが、他人の家なので気をつけましょう(2015年7月 富士フイルム X-T1)

同じ猫を今度は見下ろしてみた。すると塀の中に猫ハウスともう1匹の猫が! ちょっと裏を覗く感じがよいが、他人の家なので気をつけましょう(2015年7月 富士フイルム X-T1)

 下から撮ると猫から見下ろされてる感が出るし(見下ろされてるから当たり前だけど)、上から撮るとちょっと親しい感じが出る。ついでに塀の向こうも撮れちゃう。

 モニターがチルトするカメラだとこういう撮り方が簡単にできていいのだ。

 この場合は上から撮った方が面白かったかな。塀の向こうにほんのり見える猫ハウスが味わい深い。

 塀らしさを出すために、塀が遠くにすーっと伸びている感を出すのもいい。猫を端っこに置き、猫にピントを合わせて遠近感をつけて撮るのである。

 ちょっと下から撮るとこんな感じ。

塀の稜線(というのは大げさか)を生かして撮ってみた。この猫は塀の右側のおうちの飼い猫。たまたま家の人が庭に出ていたので、猫を撮ってもいいですかと一声かけて撮影(2015年8月 ソニー Cyber-shot DSC-RX10M2)

塀の稜線(というのは大げさか)を生かして撮ってみた。この猫は塀の右側のおうちの飼い猫。たまたま家の人が庭に出ていたので、猫を撮ってもいいですかと一声かけて撮影(2015年8月 ソニー Cyber-shot DSC-RX10M2)

 上から撮ると「レール感」が出る。まあ、たまたまこの塀が2枚の板で構成されててそれっぽいというのもあるんだが、わざと猫を上の端において強調してみた。

手前から向こうにまっすぐ伸びるアングルでこっちに歩いてくる猫を狙ってみた。塀の左は石畳の路地、右は雑然とした庭。そんなギャップがあると、境界の上を歩く姿に味わいが加わる(2015年10月 オリンパス OM-D E-M1)

手前から向こうにまっすぐ伸びるアングルでこっちに歩いてくる猫を狙ってみた。塀の左は石畳の路地、右は雑然とした庭。そんなギャップがあると、境界の上を歩く姿に味わいが加わる(2015年10月 オリンパス OM-D E-M1)

 ちなみにこの猫、塀の上にいることが多く、とても人なつこい。冒頭写真もこの猫。塀の上をこっちに歩いてきて、目の前で爪研ぎまでしてくれた。板塀は爪研ぎもできて猫的には最高である。

(次ページに続く、「縦位置で揃った、塀の上の三連猫

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