やばい、どう見てもフェス会場だこれ!
欧州最大級のスタートアップイベント「SLUSH」が11日、フィンランドでついに始まった。世界1万5000人以上の参加者が集まり、ステージで起業家たちが披露する新しいアイデアの数々に、笑い、驚き、惜しみない拍手を送る。
アップルウォッチで遊ぶRPGのような新しいゲーム、体調を管理できる指輪のような新しいガジェット、ごみ収集をセンサーで効率化するような新しいモノのインターネットなどなど、登場するのはなんと1500社。
SLUSHはまるでライブが始まったかのようにド派手な演出とともにスタートすることでも知られていて、今回もご多分に漏れず期待にこたえてくれた。日本もこのくらいはっちゃけてくれればいいのに、なんて思う。
フィンランドといえばヘヴィメタル、ムーミン、そしてノキアの国。しかし、今ではスマホゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」Supercell、「アングリーバード」Rovioのような急成長企業を次々輩出するスタートアップ国家になっている。
中でもSupercellは、わずか170人の従業員で2000億円を超えるとんでもない年間売上高(2014年度)を叩きだし、同社創業者のイルッカ・パーナネンCEOがフィンランド高額納税者リストに名を連ねるほどに成長した。
なぜスタートアップ文化が根づいたか。もとはフィンランドの巨大IT企業ノキアが経営不振に陥ったのがきっかけなのだとSLUSH関係者たちは口をそろえる。
SLUSHが初めて開かれたのはアップルがiPhone 3Gを発売した2008年。
ノキアという居場所を失ってしまったエンジニアを初めとした若者たちが、大企業頼みではなく自分たちの技術を資本として食べていこうと、起業のアイデアを持ちあって集まるためのコミュニティーをつくりだしたのが始まりだ。
フィンランドを代表する巨大企業ノキアが傾き、アメリカから流れてきたスマートフォンとクラウドに世界市場が覆われた「冬の時代」を迎えたあと「雪解け」(英語でSLUSH)を願うようにあらわれたイベントだったというわけ。
一方、7年目のSLUSHで気になるテーマは「スマホの次」。
スマホゲームの成功は大きくとも、やはり欧米企業がプラットホームの支配者に変わりない。パソコン同様、スマホも市場は過渡期。ノキアのように世界市場で戦えるプラットホーム企業がスタートアップから出てくるのか注目したい。
ともあれお祭りは始まったばかり。最高にやばいイベントの中から、最高にやばいスタートアップを見つけてみたいと思ってるので、お楽しみに!