多種多様なPCパーツのなかには、高い性能やコストパフォーマンスなどから、鉄板や旬と呼ばれる製品がいっぱい。週末のアキバ各ショップでは数量限定特価で並ぶことも多々ある狙い目パーツとなっている。そんなPCパーツの紹介と性能チェックをしていこう。
今年最も売れた!? 鉄板の小型PCケース
NCASE「M1」
種類が増えている300mmサイズのビデオカードに対応するコンパクトなMini-ITXケース。なかでも、「3万円近い価格帯のPCケースとしては異例の勢いで売れました」、「たぶん、今年最も売れたPCケースになりそうです」というショップの声が多いのが、NCASEから登場した「M1」だ。
NCASEは、北米のPC自作ユーザーコミュニティー発のブランドで、究極の小型フォームファクタ―PCケースをデザイン、製造するために、2012年後半にたった2人で立ち上げたプロジェクトだ。
ケースの構成やデザインなど、すべてユーザーの精査とフィードバックを受けつつ、クラウドファンディングにより資金を確保し、2014年の夏についに販売が実現。個人輸入によって日本でも手に入れた人が多かった。
そして2015年7月下旬には、Lian-LiやSilverStoneなどを扱っているディラックが、代理店となり国内販売を実現と、最近のPCパーツとしては珍しいドラマを持っている。
筐体は160(W)×328(D)×240(H)mmのコンパクトサイズながら、最大約305mmまでのビデオカードや高さ130mmまでのCPUクーラー、240mmサイズのラジエーターなどに対応。そのうえ、フロントやサイド、ボトム部にドライブベイやファンを搭載できるスペースを確保。
2.5/3.5インチ(3.5インチ×最大3台、2.5インチ×最大5台)や薄型光学ドライブはもちろん、本格水冷システムのポンプ、リザーバータンクなどを内蔵することもできる高い拡張性と自由度が備わっている小型&ハイスペックPC自作の鉄板ケースだ。
魅力いっぱいの「M1」だが、残念なことに、国内販売スタートからわずか1ヵ月でディラック扱いの「M1(Ver.4)」は完売。さらにNCASEの在庫も、9月の時点でシルバーモデルが売れ切れになり、10月頭にはブラックモデルもなくなってしまった。
主要メーカーのPCケースなら、あまり待たずに再入荷となるところだが、ユーザーとともにデザイン、性能、スペース効率などを追求した製品を開発することを目指したNCASE。Ver.4の再生産は行なわれず、Ver.5へアップグレード。
2016年1月10日からの出荷予定で、同社サイトで注文受付中だ。一応、Ver.5もディラックで扱われる予定だが、入荷時期は現状未定とのこと。少しでも早く、確実に購入したい人は、同社から個人輸入した方がいいだろう。
(→次ページヘ続く 「組んで大満足のPCケース」)
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