USBオーディオインターフェース「DS-DAC-10R」のファーストインプレッションをお届け
レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!
2015年10月25日 11時00分更新
デジタル処理のイコライザーで完璧な補正
DS-DSC-10Rにもフォノイコライザーの仕組みはあるのですが、イコライジングやカーブの設定はAudioGate 4でやっているところがミソです。DS-DSC-10R本体にはイコライザ回路は載っておらず、DSDの信号をソフトウェア的に処理するという仕掛です。
アナログ回路のイコライザーは温度の影響を受けやすく、パーツのバラツキもあり、左右チャンネルで特性が揃わない。そこをデジタルで処理しておけば、正確にイコライジングできるでしょ、というのがコルグのみなさんの主張です。なるほど!
AudioGate 4には、RIAAのほかにも、5種類のイコライザーのカーブがプリセットされています。RIAAに統一される以前の時代には、レーベルごとにさまざまなカーブが存在していたそうですが、どのカーブかはレコードに書かれていない。それで、AudioGate 4には、イコライザーをオフにして録音し、再生時にカーブを選ぶこともできます。これで、どのイコライザーが適切なのか、音の違いを確かめられます。なんともマニアックな機能で、必要とするユーザーも限られると思いますが、ほかにも応用できそうなアイデアです。
たとえば、現在ティアックが生産しているカセットデッキには、もうドルビーノイズリダクションの設定がありません。理由は部品の調達難だそうです。いずれ昔録音したテープが正常に再生できなくなるのは確実です。でもコルグのエンジニアの方によれば「もし技術的な情報が公開されるなら」カセットテープのイコライザーや、ドルビーなどにも対応できるかもしれない、とのことです。関係各方面のみなさん、ぜひご検討を。