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欧州プリペイドSIM比較のラストは観光立国イタリア!

2015年10月18日 11時00分更新

文● 天野 透

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速い。とにかく速い。マジで速い

 ローマでの計測は3ヵ所。玄関口であるテルミニ駅近郊のホテル、「真実の口」近くの広場であるチルコ・マッシモ、そしてハドリアヌス帝が再建したマルス広場の聖堂パンテオンだ。先にも述べた通り、イタリアでのテストは盗難被害の危険と隣り合わせだ。欲を言えばトレビの泉やコロッセオ、テルミニ駅構内などでテストをすると面白かっただろうが、荷物を落ち着ける事ができて、なおかつ他人との間にそこそこの空間がある、もしくは人があまりいない空間を探した結果、このようなシーンセレクトになった。

イタリアの信号は歩行者も三色表示。因みに青は「渡りましょう」、黄色は「気をつけて渡りましょう」、赤は「チャンスを見つけて渡りましょう」。冗談のような、割とマジメな体験談

ローマ・テルミニ駅近郊のホテル

  • TIM: 19.56/2.27Mbps
  • Vodafone.it: 35.51/1.30Mbps
  • 3: 3.01/13.02Mbps
  • wind: 33.66/4.65Mbps

TIM

Vodafone.it

3

wind

チルコ・マッシモ

  • TIM: 8.52/4.03Mbps
  • Vodafone.it: 42.82/22.59Mbps
  • 3: 8.50/9.60Mbps
  • wind: 2.77/2.06Mbps

TIM

Vodafone.it

3

wind

パンテオン

  • TIM: 31.12/1.11Mbps
  • Vodafone.it: 28.59/8.27Mbps
  • 3: 1.08/0.25Mbps
  • wind: 3.10/1.09Mbps

TIM

Vodafone.it

3

wind

 さて問題の計測結果なのだが、見てのとおり、ドイツやオーストリアとはケタ違いの数値が並んでいる。特にTIMとVodafone.itは優秀で、面白いくらいに30Mbpsやら40Mbpsやらといった数字を連発した。この2社と比較すると「3」とwindは低調な数字が並んでいる。それでも「3」はしっかりとLTEにつながって、チルコ・マッシモで下り8.5Mbpsという充分な数字を見せてくれたし、上りの数字を見るとホテルでは13Mbps、チルコ・マッシモの上りでは9.6Mbpsというなかなかの結果を出している。

 また、windはホテルでの計測で33.66Mbpsという、TIMやVodafone.itに匹敵する高速っぷりを発揮した。モバイル回線でこの結果、しかもこれがプリペイドSIMだというのだから実に素晴らしい。

 だがローマで最も注目すべき数値は、19.56Mbpsというホテルで計測したTIMの下り結果だろう。驚くべきことに、この数値は3G回線での記録である。もちろんTIMはLTE回線を使えるし、その方が高速であろうことはまず間違いないのだが、3G回線で20Mbpsに迫るスピードというのは、ちょっと筆者の記憶にはない。

 思わずLTEではないかと確認をし直したが、iPadのピクト表示ではしっかり「3G」と出ている。わかっている、HSPA+の理論値は下り最大21Mbpsで、DC-HSDPAになると42Mbpsも「理論上は」出るのだが、それでも普段の3G通信からはあまりにかけ離れた数値のため、疑わざるをえなかった。

イタリア、特にローマやミラノなどの大都市ではボッタクリに注意。ピザを食べたくて入ったリストランテで「海鮮パスタのほうが美味しいよ!」と押し切られ、出てきたのがコチラ。ミネラルウォーターとグラスワイン、オレンジジュースを合わせて、合計80ユーロ。しかもカードを出すと、有無を言わせず100ユーロを持って行かれた

チルコ・マッシモで遭遇した面白い光景。観光ポイントには結構な確率でローマ兵に扮した人を見かける(もちろんチップ目当て)のだが、こちらはボランティアと思しき集団が兵団を組んで訓練をしていた。内容は行進やファランクス姿勢など、なかなか堂に入ったものだった

 気を取り直して。ローマでの通信環境は、感覚としては東京での快適なLTE通信と何ら変わらない、というのが筆者の素直な感想だ。あまりに快適なものだから、調子に乗って使い過ぎないように気をつけないといけなかったくらいである。もしこれで容量が5GBやら7GBやらあったら、日本で使っているのと同じような感覚で音楽やら動画やらをガンガンダウンロードしていたかもしれない。

イタリアでペットボトル飲料を買ったら、ボトルは捨てないようにしよう。都市部、特にローマでは「フォンタナ」や「ナゾーネ」と呼ばれる無料の水飲み場が街のいたるところに用意されていて、観光客や現地の人のノドをうるおしている。もちろんボトルでの持ち帰りもOK。ユリウス・カエサルが「水の上を歩くようだ」と表現したローマは、実は水の街でもあるのだ

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