ゲーム動画配信でもSSDが活躍
ジサトラアキラ:もう一つ、個人的にお聞きしたかったのは、ゲームプレイ動画についてです。最近のゲーマーは、自分のプレイをアピールするという意味で、動画を扱うことがある種必須条件のようになってきています。StanSmithさんはご自身でも動画や配信を活用されていますよね。
StanSmithさん:そうですね、以前から『Bandicam』や『Dxtory』を利用して動画を撮影していました。ただ数年前の環境だと、HDDでゲームをプレイしながらきれいに動画を撮るのはけっこう大変で。当時のHDDって、やっぱりアクセス速度もあまり速くないので。
ジサトラアキラ:単純に動画ってファイルサイズが大きいし、負荷も高いので、HDDから読み出すか、SSDから読み出すのかでだいぶ体感速度が違うと思うんですよね。ゲームの動画を作成するときに、SSDがあると快適に作業もできるのではないかなと思うんですが。
StanSmithさん:それは間違いないですね。僕の友人にもゲーム実況者の方は多くて、多くの人が言っているのは「大容量のSSDがマスト」であるということ。やっぱり毎日のように動画をアップロードしている方たちなので、作業を少しでも楽にするために、より大容量のSSDが必要だと。もちろん初心者の方や撮影の頻度が少ない方なら、もっと小さい容量でもいいと思うんですけど。
ジサトラアキラ:最近は動画を撮ること自体が身近になってきていると思うんです。これから一般の方が動画を撮影、アップロードする機会も増えてくるでしょうし、高画質を売りにする動画配信サービスも出てきました。そうなると当然、ファイル自体の容量も増えますから、SSDの「大きなファイルを速く使える」という強みが生きてくるんじゃないかと思います。
ジサトラカクッチ:使い方という話では、SSDって多重のアクセスにすごく強いじゃないですか。自分で動画を撮影しようとすると、たとえばPCゲームをプレイしてロードすると同時に、GeForceの『ShadowPlay』でゲーム画面をフルHDで録画すると。この上で、さらに動画を生配信するような負荷をストレージにかけるとき、SSDぐらいのパフォーマンスとレスポンスがあると、HDDでは出来なかったことができる感じはありますよね。
StanSmithさん:本当にその通りだと思います。配信も、たとえばTwitchは動画を自動でアップロードしてくれるんですが、ローカルに保存しておきたい人もけっこういますよね。正直、SSDならあまり気にせずに保存できるんですが、HDDだと書き込みが追い付かない。実際にやってみると、配信ってPCそのものにかなりの負荷がかかるので、ゲーム自体もカクカクになったりするし、そうなると動画もいきなり画質が落ちたり、音ズレしていたり、満足するデキにはなりませんね。
ジサトラアキラ:CPUとか、PCを構成するメインのパーツの性能って、実は今、ある程度飽和しているんですよね。例外もありますけど、基本的な使用には耐える十分な性能をもっている。それ以外の部分で影響が大きく、最も効果を体感しやすいのがSSDの採用である、ということは言えると思います。
売れ筋SSDは? ツクモeX.担当者に直撃!
SSDと一口に言っても、メーカーによって性能や価格はまちまち。「どれを買えばいいか分からない」という人向けに、東京都・秋葉原のツクモeX.パソコン館の自作パーツ担当、西下忠道氏にお話をうかがった。
西下氏のコメント:
まず、容量ごとの売れ筋の傾向ですが、250GBクラスと500GBクラスの製品が同じぐらい数が出ていて、SSDの売り上げの7~8割はこのクラスの製品です。次いで数が出ているのが120GBクラスの製品で、1TBクラスに手を出す方はまだそれほど多くないですね。SSDは容量ギリギリまでデータを入れてしまうと性能が低下するので、少し余裕をもって選択していただくか、システムドライブとデータドライブを分割することをおすすめしています。いま、全体的にSSDの価格が低下しているので、増設用で購入される方も増えていますね。
中でもオススメの製品ということで、当店でもコーナーをつくって大きく扱っているのがサンディスク製のSSDです。シリーズとしては中位の『サンディスク ウルトラ II』がもっとも売れていますね。値段も手ごろで、ハイエンドほどではないですが、順次読み込み・書き込み速度ともにかなり速いです。安価な製品では品質を心配される方もいらっしゃると思いますが、同シリーズはSSDでは鉄板のMarvell製コントローラーを採用していること、また「フラッシュメモリー製品といえばサンディスク」という安心感も手伝って、購入される方が多いようです。当店の店員にも愛用者が多いですよ。
ごく一般的な使い方をされる場合は『サンディスク ウルトラ II』シリーズの480GBモデルで十分かと思います。このモデルは現状、本店の同クラスのSSDと比較するとどのメーカー製品よりも安いので、オススメしやすいという理由もありますね。また、速度にこだわられる方、クリエイティブなどでヘビーに使われる方には、最上位の『サンディスク エクストリーム プロ』をご紹介しています。『サンディスク ウルトラ II』に比べれば少し高価ですが、他のメーカー製品と比べればそれほど高いわけでもないのがポイントです。予算が限られていて、とりあえず増設してみたい、という人には、エントリークラスの『サンディスク SSDプラス』シリーズが最適ですね。
現状、SSDはPCの交換できるパーツの中で、もっとも費用対効果が高いパーツです。コストをかければきっちり効果が出ますので、PCを使う方であれば、どんな方にでも性能の向上を実感していただけると思いますね。
(次ページ、「現在は256GBクラスで1万円前後のSSDも」に続く)
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