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鈴木社長らが2016年度の方針を説明

日本に根ざした事業展開、IoEなど推進~シスコ重点戦略

2015年09月30日 09時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 シスコシステムズ(以下、シスコ)は9月29日、事業戦略説明会を開催。代表執行役員社長の鈴木みゆき氏をはじめ、注力事業の責任者が登壇し、2016年度の方針を説明した。

代表執行役員社長の鈴木みゆき氏

 鈴木氏は重点戦略としては、(1)日本市場に根ざした事業展開、(2)お客さまのデジタルビジネス支援、(3)統合ソリューションビジネス強化――を挙げる。

2016年度の重点戦略

 (1)では、日本市場向け製品・ソリューションの開発・提供を進めるほか、エコパートナーシップや投資の拡大を目指す。(2)では、IoE(Internet of Everything)、セキュリティ、次世代サービスプロバイダーへの支援を推進の柱として、それぞれ2016年度の方針を描いている。(3)では、ソフトウェアソリューションにおいて、製品とサービス営業の舞台を一体化し、より綿密な顧客支援を行っていくという。

日本の市場環境

日本に根ざした事業展開

 会見では、(2)のIoE、セキュリティ、次世代サービスプロバイダーへの支援について詳細な戦略が語られた。

 IoEにおいては昨年度、Smart FOAへの資本参加(2014/9)を皮切りに、IoEイノベーションセンターの設立(2014/11)、東芝とのアライアンス(2014/11)、慶応大学のIoT研究への出資(2015/5)、京都府との協定(MoU)締結(2015/6)を進め、2015年6月には「IoT System」というサービス群を発表した。

 2016年度はこの方針を継承し、(1)戦略的提携・資本参加を通じたIoEエコシステムの強化、(2)製造(組み立て、プロセス、エネルギー)、パブリック(スマートシティなど)、サービス(スポート&エンタメなど)といった産業分野への注力、(3)IoT Systemの日本での販売強化を軸に事業を推進するという。

IoE昨年度の主な取り組み

今年度の取り組み

 セキュリティについては、「A Trusted Security Partner(より信頼されるセキュリティパートナーへ)」という目標に向けて、「あらゆる場面で利用可能な製品・セキュリティクラウドサービスを提供するとともに、計画・構築・運用までの全フェーズにおいてサービスを提供する」(執行役員 システムズエンジニアリング担当兼SDN応用技術室長の財津健次氏)という。

 中小企業向けの製品ポートフォリオ「Cisco Start」を提供する同社だが、「大企業から小規模企業にまで幅広く製品を展開し、その提供形態もハードウェア、仮想アプライアンス、クラウドと取り揃えていく」(同氏)。

 その際、中核となる技術が世界最大規模のセキュリティインテリジェンス「Cisco Collective Security Intelligence(CSI)」だ。このCSIと製品サービスを連携させ、計画・構築・運用の全フェーズで顧客を支援する意向を示した。

セキュリティの方針

 次世代サービスプロバイダーへの支援については、2014年8月に発足した「グローバル・サービス・プロバイダー(GSP)事業」を軸に進める。こちらはシスコの十八番といえるスイッチ・ルーティングの事業で、「日本にもNetFlixが上陸したように、今後もトラフィック増加の傾向は続いていく。その中で引き続き、競争力を高めていく」(同氏)とし、「SDN/NFVについてキャリアと意見交換や試験導入を進めており、その成果をエンタープライズにも「バーチャルマネージドサービス」のような形で展開する」考えとした。

 また同事業においては、ソフトウェア分野も注力点となる。SDN/NFV、ネットワーク自動化、オーケストレーションといったものから、IoTやスタジアムビジネスなどの新規事業にも進出する。

 「スタジアムビジネスとしては、FIS Alpine Skiing World Cup 2015 Japanにおいてモバイル向け低遅延ライブIP放送の試験導入が決まっている。湯沢・苗場で開催されるのでぜひ足を運んでみてほしい」

 2015年度、同社のグローバルでのソフトウェア売上は1兆円に上る。また、2012年~2015年度に買収したソフトウェア関連企業の数は31社、2015年度の同分野における研究開発費は7400億円と、昨今、取り組みを加速させている。

 その例として、トランザクショナル(永続ライセンス・サブスクリプション)、ボリュームベース、エンタープライズアグリーメント(AP)とライセンス体系の変革を進めていると紹介。特に、全社員・全拠点で無制限にソフトウェアを利用可能なライセンス契約である「AP」については、日本でもグローバルでも契約数が拡大しているとのこと。

 さらに、従来のハードウェアとソフトウェアの一体契約から、それぞれを分離し、ソフトウェアは永続ライセンスとして提供する「Cisco ONE」の販売も開始した。今後はこれらの新しいライセンス形態とともに、「ソフトウェアの利用頻度や効果を高めるための支援として、ビジネスに直結した利用を定着化させるサービスも提供する」としている。

ライセンス形態などのソフトウェアビジネス変革の成果と展開

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