富士通は、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなどの最先端技術を実装したデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」を提供。第1弾製品として、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」をはじめとした製品およびサービスを、9月29日から販売を開始。12月1日から、順次サービスを提供する。
MetaArcは、システム・オブ・レコード(SoR)と呼ばれる基幹システムをはじめとする従来システムと、システム・オブ・エンゲージメント(SoE)と呼ばれるビジネスプロセス革新や新ビジネス創出するといった新たな情報システムを、新たなクラウドサービスである「FUJITSU Cloud Service K5」による同一プラットフォーム上で提供。SoEとSoRの構築および運用と、それらをシームレスに連携する商品群をワンストップで提供する。
新クラウド上で新製品群を展開
また、2015年2月から、同社が社内実践として取り組んでいる、社内システムの「K5」への移行に加え、SE、パッケージ開発、ソフトウェア開発などの経験やノウハウを活用。5月に発表したインテグレーションコンセプト「FUJISTU KnowLedge Integration」により、企業や業界の枠を超えて、人、情報、インフラをつなぐことを支援することができるという。
今後、MetaArcを、富士通のグローバルプラットフォームとして位置づけ、日本を皮切りに、欧州では2016年度上期、米国およびアジア、オセアニアでは、2016年度下期に展開していく予定だという。
富士通の総力とナレッジで完成した新クラウド「K5」
MetaArcの第1弾として提供する「FUJITSU Cloud Service K5」は、MataArcの中核プラットフォームになるもので、SoEとSoRの連携を容易にするアプリケーション基盤機能や、業種や業務特有の部品サービスやテンプレートなどのPaaS機能を備える一方、データセンター内で物理的に独立した環境を提供するマルチアベイラビリティゾースなどにより、多様なシステムに適用可能なIaaS機能を提供する、新たなクラウドサービス。
OpenStackやCloud Foundryといったオープン技術と、SEによる開発・運用ノウハウ、全社システム適用の実績などの富士通のノウハウを組み合わせたもので、パブリッククラウド、バーチャルプライベートホステッド、デディケーテッド、デディケーテッドオンプレミスの4つのサービスを、K5のプラットフォームで提供するとともに、同一アーキテクチャーで顧客環境を実現するプロダクトも提供する。
「K5は、富士通の総力とナレッジにより完成したもの。ナレッジのKと、5大陸の5から命名したものであり、5大陸において、富士通のナレッジをしっかりと活用してもらいたいと考えた。SE自らが開発したものであり、顧客と一緒に培ったSEのナレッジを活用した『顧客視点のPaaS』として提供できる。また、ハイブリッドニーズに応える4つのサービス群、1つの製品による4+1モデルで提供。顧客自らの要件に沿ってクラウドの選択が可能になる。また、社内実践で磨き上げたサービスを継続的に提供できるのも特徴。地に足が着いた、日本流の提案ができると考えている」(富士通 デジタルビジネス・プラットフォーム事業本部・中村記章副本部長)とした。
K5の事業オーナーには、社内SEやグループ会社のSEを統括するインデクレーションサービス部門長の谷口典彦執行役員専務があたり、事業責任は、社内システムや技術総括を行う松本端午執行役員常務が担当。プロダクト、サービス、SE、研究所といったあらゆる部門から、デジタルビジネスプラットフォーム事業本部に参加。K5の開発にあたったという。
K5のパブリッククラウドサービスでは、1時間あたり10.37円から仮想マシンを利用できる。「競争力のある価格を実現しており、条件により、プライスリーダーというAWSの料金を下回ることもてきる」とした。
K5のアーキテクチャーをプロダクトとして提供する、垂直統合型仮想化・クラウド基盤「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud」は、従来から提供している「PRIMEFLEX for Cloud」に、K5と同一のアーキテクチャーを採用した新たなモデルで、仮想プライベートクラウド環境の短期導入や安定稼働に加えて、クラウドサービスとの間で、アプリケーション資産やデータの相互移行を実現する。
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