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富士通がシステム構築、“紙ベース”脱却で経営指導の効率化や情報共有の強化目指す

小規模企業の経営をタブレットで支援、広島県商工会連合会

2015年09月15日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 広島県商工会連合会が、県内の小規模事業者に対する経営支援の強化を目的とした「小規模事業者向けモバイル経営支援システム」を運用開始した。タブレットを用いて、経営指導員による経営指導活動の効率化や正確化、事業者とのコミュニケーション活性化、活動分析などが可能になる。

 広島県商工会連合会と富士通、富士通マーケティングの三者が共同で、9月9日に発表した。同システムは、富士通のタブレット活用クラウド基盤「FUJITSU Cloud PaaS MobileSUITE」と、CRMソリューション「FUJITSU Business Application CRMate」を活用して構築されている。

広島県商工会連合会「小規模事業者向けモバイル経営支援システム」の概要

 広島県商工会連合会(以下、広島県連)は県内34地域の商工会の連合組織で、地域の総合振興を目的に経営支援や創業支援、IT導入支援などの活動を行っている。その一環として小規模事業者(従業員数20人以下程度)への経営支援活動があり、各地域商工会に所属する経営指導員約140人が、経営や労務、金融、税務に関する指導や、補助金の申請代行、税申告支援などを行う。

 これまで広島県連の経営指導員は、“紙ベース”で小規模事業者の経営指導を行っていたため、指導内容の標準化や指導員間での情報共有、事業者に対するタイムリーな情報提供、支援活動の効率化といった課題があった。

 今回のシステム運用開始により、経営支援活動が効率化され、また経営指導員間や事業者間、さらに各県の商工会連合会間でのコミュニケーション活性化が期待されている。

 経営指導員が小規模事業者を訪問する際には、GPSにより近隣の訪問先一覧がタブレット上に表示され、さらに訪問日時や訪問者などの情報も、タブレットから各事業者別のカルテに自動記録される。経営指導の履歴や事業者側の重要事項(経営者交代など)もカルテに記録されるため、経営指導員は過去のカルテや情報を閲覧しながら経営指導をすることができる。なお、カルテ入力や情報閲覧はオフラインでも可能なため、電波の届かない地域でも利用できる。

 訪問終了後は、タブレットからワンタップで事業者宛にアンケート付きのメールを自動発信できる。さらに、事業者向けにモバイルから閲覧/利用できるポータル「商工会情報配信システム」も新設しており、さまざまな情報提供やアンケート収集が、このポータルを介して実現する。

経営支援システム ポータル画面

商工会情報配信システム メッセージ画面

 ちなみに、ID管理やタブレット管理、紛失対策といった各種セキュリティ(情報漏洩)対策は、MobileSUITEが備える機能で一括提供される。タブレット内のデータは暗号化保存されている。

 広島県連では、同システムを通じて収集、蓄積される事業者情報や指導履歴のデータの分析を通じて経営支援や対策の最適化を図り、県内の産業振興や小規模事業者情報の管理強化を目指す。さらに、他県の商工会連合会が同じシステムを導入した場合は、蓄積情報を共同分析したり、事例を共有したりといった地域間の情報連携が可能になるとしている。

 なお富士通および富士通マーケティングでは、地域の総合振興をITにより支援する同システムを「FUJITSU ビジネスアプリケーション 商工会ポータル」として商品化し、10月から提供開始するとしている。

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