「音声のニコニコ動画」として成長したい
TalkSpaceに画像やテキストも投稿できるようにして“音声を中心としたニコニコ動画”のようなサービスにすることにしたのだ。
「違う能力を持っている人がコラボできるのがニコニコ動画。だから、うちではイラストレーターと声優と脚本家が集まってコラボができるようにしたんです。モバイルに特化して、ニコニコに上げるほどじゃないモノを上げられるように」
音声が動画にかなうことはないが、音声には動画にない魅力がある。また、音声を中心にすることで、新たな機能もつくれた。アバターだ。アバターに利用者たちの音声をつけてコミュニケーションさせられたら面白いんじゃないか。
同社ではスマホゲームの開発にも力を入れている。『カレシノフリカタ』『欲深な壺をフルボッコ』といったジョークアプリがメインだが、いずれTalkSpaceで有名になった利用者の音声や画像をゲームに利用できたら、とも考えているそうだ。
しかしサービスの基本思想を他社にならっていると堂々言いきるのは珍しいが、それは鮫島代表がもともと“超”がつくほどのニコニコ好きだったから。
「もともと川上さん(ドワンゴ川上量生会長)の考えが好きで、いちばん尊敬しているサービスがニコニコ動画なんですよ。ニコ動は最強なんです」
これからの目標についても、考えるのはやはり“ニコニコ基準”。
「ぼくらに似たサービスでいうとMixChannelの利用者が450万人くらいですが、あれも絶対ニコニコ動画を見て作ってるなと思ってます。ニコニコ動画の利用者は約5000万人、なのでぼくらは1000万人行けば大成功じゃないかと。……でも、最終的にはドワンゴが買収してくれないかなあ、とも考えてます」
将来像を語る鮫島代表の顔は、少年のように明るかった。危うく大学を退学させられかけた不良生徒はいま、日本の最南端できらきらと輝いている。