コンパクトで軽い、外出先で積極的に使いたい
サイズは比較的コンパクトにまとまっている印象。KZ1000の本体は軽く200g程度。KZ3000はこれよりはずっしりした(というか身が詰まった)感じがするが、それでも270g程度である。ポータブル利用でも十分な軽量さだと思う。
ハウジング部とヘッドバンド部にはスイーベル用のピンが設けられており、携帯時に本体を平らにできる。キャリングケースなどは付属しないが、ケーブルをはずせば断線の心配もないので、多少ラフに持ち運んでも問題なさそうだ。リュックなどに入れてもかさばらないし、海外旅行などに行く際、スーツケースの占有を少しでも抑えたい場合でも場所をとらない。
質感そして内部の複雑さは価格相応の差別化要因
次に上位のKZ3000と下位のKZ1000の仕様の違いについてみていこう。
まずは外観から。KZ3000はハウジングの素材にグラスファイバーPA樹脂とアルミプレートを組み合わせている。一方、KZ1000は一般的なABS樹脂製だ。アーム部分の色はKZ3000のブラックに対してKZ1000はシルバーとなっており、ヘッドバンドを伸縮させた際に露出するスライダー部分もこの色に合わせてダークグレーとシルバーに塗装されている。
イヤーパッドやヘッドバンドの素材はともに合皮だが、素材感は異なり、KZ3000のほうがよりソフトな感触だ。KZ3000ではプラグ部分の色も異なっていたり、ヘッドバンド部分に赤色のステッチを設けたりと、細かなところにもこだわりが感じられる。イヤーパッドはよく耳にフィットし、密閉感はかなり高い。
内部に目を向けると、使用パーツの数が随分と違うことが分かる。
まず下位のKZ1000はイヤーパッド、グラスファイバーPAのバッフル、ドライバーユニットハウジングという4ピースのシンプルな構造。一方上位のKZ3000では、ステンレスやアルミを用いた振動抑制用のリングを追加しており、ドライバーも振動板にPEN樹脂を使用。かつ通常1つの3つのネオジウム磁石を3層に重ねてより強力にしている。またドライバーユニットの背後にサウンドディフューザーと呼ばれる独自のパーツも追加。ハウジング内で反射する音を拡散させるともに、少ない容積でもエアボリュームを確保できるように最適化している。ジャックも振動抑制機構のついたスタビライズドジャックとなり、キャップもアルミ合金製だ。
KZ3000とKZ1000はサイズ面では同等だが、こうした違いから重量は約70g異なり、手に持つとKZ3000のほうがより密度感が高く、より高級な印象を与える。