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ソリューションプロバイダーとしてますます成長するための社長交代

郡社長が作った新しいデル、平手新社長が作る次のデル

2015年07月24日 17時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月24日、デルは新社長の平手智行氏の就任発表会を開催した。発表会では、現社長の郡信一郎氏が就任時の4年間の実績を説明し、その後新社長の平手氏が自身の経歴とデルのポテンシャルについて語った。

ソリューションプロバイダーとしての認知を高めた4年間

 発表会の冒頭登壇したのは、新社長にバトンを渡す現社長の郡信一郎氏。郡氏は社長に就任した4年前からの流れを振り返った。

現社長の郡信一郎氏

 2011年就任以来、郡氏が手がけてきたのは信頼されるソリューションプロバイダーとしての認知度を上げることだった。「パソコン会社のデル」から「ソリューションプロバイダーのデル」へ、「直接販売のデル」から「直間の両輪のデル」へと変化を遂げるべく、組織や社員のマインドを変え、顧客とパートナーの視点でソリューションを提供してきたという。郡氏は、「結果として、お客様を支える領域を拡げ、幅広いソリューションを提案できるようになった」と振り返る。

 具体的には180億ドルの投資により、ソフトウェア、ITセキュリティなど30社以上の会社を買収してきた。これらをいち早く日本市場に導入すべく、2013年にはデルソフトウェアを設立。また、Dell Secure Worksの事業をスタートし、アジア初のSOCも設立した。2014年にはシンクライアントのワイズテクノロジーを統合。ソリューション面でもSoftware-Defined Network・Storageやコンバージドシステムの分野にいち早く取り組んだほか、エンドツーエンドのセキュリティ製品やコンサルティングも提供。「Dell SecureWorksは、海外事業でもっとも速い伸び率で成長し、直近で前年比200%を遂げている。Dell SonicWALLでもVPN分野でシェアNo1となった」(郡氏)。

 さらに間接販売体制を強化すべく、パートナー部門に関しては人員を倍増。ユニアデックスのような自営保守体制を構築するパートナーが出てきたほか、パートナー製品との型番を共通化させたカタログサイトも提供している。「数年前、競合と見ていたパートナーも、今では協業できるパートナーという見方に変わってきている」と郡氏は語る。

 そして、2014年に米デルは自社株買収による非上場化を実現し、世界最大規模のプライベートカンパニーになった。これについて郡氏は、「お客様だけを見て経営できるスタンスがとれるようになった。加えて、中長期的な視野を持って、戦略を推進できるようになった点も大きい」と郡氏は総括する。4年前と直近のアンケートと比べても、デルをソリューションプロバイダーとして認知してる顧客は圧倒的に増加しており、郡氏の目標は遂げられたようだ。

 郡氏は、今後米デル 日本アジア太平洋地域担当 副社長 グローバルセールスオペレーションに就任し、アジア各国のセールスオペレーションを統括する。「国境をまたいで経営者として成長していきたいとつねづね考えてきたので、その希望が叶った。日本の社員に対しても、グローバルで活躍できるというところを見せていきたい」と語る。

25年の経験を活かし、新しいデルを作る

 郡氏の紹介を受けて、登壇した平手智行氏は、25年に渡ってIT業界の要職を歴任してきた人物。8月1日付けで米デル バイスプレジデント 兼 デル代表取締役社長に就任する。

8月1日付けで米デル バイスプレジデント 兼 デル代表取締役社長に就任する平手智行氏

 平手氏は、1987年に日本IBM入社して以来、アジア・パシフィック地区経営企画、米IBM本社の戦略部門を経て、日本IBM 執行役員 兼 米IBM バイスプレジデントに就任。通信、メディア、流通、公益などの業種、サービス事業を統括してきた。2012年からは米ベライゾン エリアバイスプレジデント兼ベライゾンジャパンの執行役員社長として、業績拡大に貢献したという。

 発表会に登壇した平手氏は、IBMでの経験を中心に概説し、「グローバルで経験を持っているが、すべては日本のお客様とパートナーのやりとりの中で、なにをやればいいかをグローバル企業にインプットしてきた経験になると思う。お客様、パートナー様と膝をつき合わせて、新しいこと、大きいことにチャレンジしてきた25年だった」と語る。7月1日に副社長に就任し、顧客やパートナーを回っている現状。「4年間、通信事業に行っていたので、たくさんのお客様から(IT業界に戻ってきて)おかえりと言われ、本当にうれしく思っている。今こそデルという会社で、こうしたお客様やIT業界に恩返しをしたいという気持ちがいっぱい」と平手氏は語る。

 社長就任の決め手は、マイケル・デル氏の強い信念に惹かれたからだという。「本当にお客様が必要なものを必要な形でお届けしたいという強い思いを実現するため、彼はぶれない経営をしている」と平手氏は振り返る。こうした方針の中、市場規模が大きく、未開拓の領域も大きい日本市場において、デルのビジネスを伸ばすため、自身のIBMでの経験が役立つと平手氏は語る。「1992年当時、ダウンサイジングの波に乗り遅れたIBMは業績不振に陥っていた。しかし、その後プロダクトセリングからソリューション、サービスに大きく変換したトランスフォーメーションがあった。それを先導したリーダーの1人であった自身の経験を活かしたい」と語る。

 自身の社長就任当初から後継者を探していたという現社長の郡信一郎氏。平手氏に「豊富な業界経験を持っており、ソリューションカンパニーとしてのデルの新たな時代を切り開いていく最適な人材と期待している」とエールを送った。

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