3連ファン搭載クーラーの冷却力はいかに?
ファンやヒートシンクにコダワリの詰まった「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」のオリジナルクーラー。そのパフォーマンスの高さを検証すべく、比較対象としてリファレンスデザインの「GeForce GTX 980 Ti」を用意して、冷却力やGPU Boostの挙動を検証してみた。
テストには「3DMark Fire Strike」のノーマルプリセット(解像度1920×1080ドット)を使用。ベンチマーク実行中のGPU温度と動作クロックを計測した。検証はケースに組み込まないバラック状態で行ない、スポット冷却用のファンは追加していない。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-4790K」(定格4GHz/TB時4.4GHz、4コア/8スレッド) |
マザーボード | ASUS「MAXIMUS VII GENE」(Intel Z97 Express) |
メモリー | CORSAIR「CMD16GX3M4A2666C10」PC3-21300 4GB×2 |
ビデオカード | GALAX「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」(GeForce GTX 980 Ti、6GB) |
SSD | PLEXTOR「PX-256M6S」(256GB) |
電源ユニット | Cooler Master「V1200 PLATINUM」(1200W/80PLUS PLATINUM) |
OS | Windows8.1 Pro Update(64ビット) |
グラフィックドライバー | GeForce 353.30 Driver |
室温 | 24度 |
まずはWindows起動10分後のアイドル時のGPU温度と、ベンチマーク実行中の最大温度を見てみよう。
アイドル時のGPU温度は33度と横並びなものの、ベンチマーク実行中の最大温度は、GeForce GTX 980 Ti搭載リファレンスカードが81度に達したのに対し、「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」は63度までしかGPU温度が上昇していない。
ベンチマーク実行中のGPU温度は全域で「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」がリファレンスカードの温度を下回っている。当然と言えば当然だが、最大でGPUコアクロックが1400MHzで動作しているのにも関わらず、GPU温度が63度までしか上昇していないのはクーラーの冷却力が高いからに他ならない。
次にベンチマーク中のGPU Boostの挙動を見てみよう。OCモデルの「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」がほぼ全域で上回るのは一目瞭然だが、注目して欲しいのは最大動作クロックでの動作時間が長いことだ。
負荷が掛かる時間が長くなるにつれてGPU温度が上昇して、最大動作クロックを維持できないリファレンスカードに対して、「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」はGPU温度に余裕があるからか、最大動作クロックである1404.8MHzの状態を長く維持しているのがグラフからわかる。
この冷却力の高さとブーストクロックの安定性は、ゲームのように長時間負荷を掛け続けるような使い方に向いていると言える。試しに5回連続でベンチマークを実行してみても最大温度は63度のままだったので、ユーティリティーでファンの回転数を上げるなどの調整をする必要はなさそうだった。
OCモデルで気になるのが消費電力。Watts up? PROを使用して計測したところ、アイドル時に73.7W、ベンチマーク実行中に397Wを記録。リファレンスカード比でアイドル時に2.4W、ベンチマーク実行中に20W上昇していることになる。リファレンスクロックからの大幅なOCを考えると、消費電力値の上昇は思いのほか少ない。
(→次ページヘ続く 「TITAN Xよりも速いってホント?!」)