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本音満載でさすがに匿名!8/5開催「ITACHIBA第4回」プレ座談会

制度はあるのにIT女子の働きにくさはなぜなくならない?

2015年07月22日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ワークライフバランスに出てくるような女性は広告塔?

――働きながら子育てという女性はよくメディアや広報誌などにも取り上げられていますが、そういうロールモデルはいないんでしょうか?

大手SIer女子:多くの企業と同じく、うちの会社も女性に働きやすい職場をアピールしていますが、そういうところに出ている人はやはり広告塔。非日常的な仕事の仕方をやっているスーパーウーマンの方なんです。

スタートアップ女子:ワークライフバランスの企画でメディアで出ているような女性は、正直まったく現実味がないです(笑)。

大手情シス女子:うちの会社は業界でもダントツに女性の管理職が少ない。だから、会社としては女性の管理職を増やすのに、すごく必死。でも、女性管理者率30%というターゲット率を満たそうとすると、30代の女性をもれなく管理職にあげるしかないんです。だから、今の私もターゲットされた要員です。管理職になるか、ならないか。ならないなら、なぜならないか、人事部が聞いて回っている状態です(笑)。本当の女性活用は働き方に選択肢を増やしてあげるのが重要なのに、手段と目的が逆転しています。

――女性活用に関する考え方の違いって、社内でも大きいんでしょうか?

大手情シス女子:私は男女関係なく、日本のマネジメントやキャリアの考え方が遅れているんじゃないかなあと思います。日本の管理職って、あくまで「管理」がメインで、マネージしているわけではない。個々の技量や特性を見抜いて、インタラクティブに会話をしていかないと、多様性に対応できません。

――男性の働き方や人生観も多様化していますからね。

大手情シス女子:今となっては専業で子育てしたい男性がいるかもしれないし、シングルファザーだって、介護しなければならない人だっているじゃないですか。こうした中、マネージャーも一人一人に向き合って、個人をどうやって伸ばそうか考えたら、おのずと女性の活用が進むんじゃないかと思います。

スタートアップ女子:できることが違うのはわかっているし、男女が平等である必要はないと思います。馬力のある男性、細かいことに気がつく女性でわけてもらって全然いい。ただ、評価軸はきちんと設けられてほしいんです。あと、女性の敵は女性という話もあるので、男女関係なく、人のレベルで意識が変わっていかないと、制度も変わらないと思います。

大手SIer女子:うちの会社でも研修はやっているんですけど、それを現場で活かすというところまでいかないのが実態ですね。上司も、なぜそんなにがんばって働くの? 辞めればいいじゃんくらいのことを言いかける。でも、「自分ができることだけやっていいよ」というのも違う。甘えかもしれませんが、時短で働く女性の仕事の目標をいっしょに考えてくれるアドバイスが欲しいと思います。

大手情シス女子:女性と男性って満足感の感覚が全然違うという話はよく出てきます。女性はまわりから認められたい、存在意義を認めて欲しいという承認欲求が強いのに対して、男性はどちらかとポジションや地位に反映してほしいというのが強い。その感じ方の違いを理解していないと、上司もコントロールしにくい。人の問題というのは、そこが大きいと感じています。女性脳・男性脳の話ってよくでてきますが、「違うよね」から一歩踏み込めるかが重要だと思います。

公務員のような働き方が理想という女性はまだまだ多い

――世代間のギャップというのもあるんでしょうか?

大手情シス女子:あると思います。今、うちの会社で女性の活用に関するアンケートをとろうとしているんですけど、世代で分けてみようという話をしています。うちは大企業なので、管理職は給料もいいし、奥様が働いている人自体が少ない。だから、ワーママの現状をあまり理解できません。逆に私の下の若い世代は、女性活用に理解があったりします。

大手SIer女子:確かに育休をきちんととる男性も増えてるし、自分で料理や洗濯をできる男性も多い。そういった人たちからの理解は確かに得られるかもしれませんが、40・50代の中間管理職は難しいかもしれない。この方たちの意識を変えるには、別のテーマをぶつけないと、考え方を変えられないと思います。

スタートアップ女子:私は地方の生まれで、両親は公務員が最高という人でした。昔から公務員で働いていれば、定期的に昇級して、子供産んでも、定年まで働けるんだぞと両親に言われて育ってきた。なので、東京のこの状況がとてもカルチャーショックなんです。

――首都圏と地方のギャップという話もあるんですね。

スタートアップ女子:私も昔は地元で公務員やろうと思っていたんですけど、東京に出てきて、IT業界に入って、仕事の楽しさを知ったし、キャリアの格差があることも理解した。でも、昔の私のように「公務員なら安定して給料もらえる」「だめなら主婦でいいじゃん」「3歳までは子育ては自分でやらないと」と考えている女性は世の中にいっぱいいるんです。そういう人たちからすると、私たちの働き方を変えような話はまったくピンと来ないし、障害にすらなっていると思います。

 ●

 「制度やテクノロジーはあるのに、周りの理解がない」「女性活用に関する考え方が会社と現場で異なる」「女性自体でも働き方に関する考え方が異なる」など、女性の働き方を巡る課題は、根が深いものがある。人事管理の在り方や労働時間や生産性の考え方など日本企業の労働感そのものに根ざす部分も大きく、すぐに解決できる課題でないのも事実だ。

 さまざまなIT業界での課題を人事交流とディスカッションによって解決していく「ITACHIBA」では、8月5日に行なわれる第4回目の会議のテーマとして、この女性活用をテーマに据えた。当日は女性活用に関しての識者の講演のほか、参加者同士でのディスカッションやアイデア出しも予定している。立場の異なる人たちが、それぞれの経験やノウハウを持ち込み、ぶつけあうことで、女性活用に関する課題を前向きに解決できるアイデアが生まれると考えているので、問題意識を抱えている人はぜひイベントの方に参加していただきたい。

8月5日に開催予定のITACHIBA第4回目が延期になりました。詳細はITACHIBAのページをご覧ください。(2015年7月31日)

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