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業界人の《ことば》から 第152回

弥生、会計ソフトが登場した30年前。それに匹敵する変化を

2015年07月14日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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証憑整理の手間を省く

 弥生会計では、2007年12月から、MoneyLook for 弥生により、銀行取引の自動仕訳を実現。さらに、2014年7月のYAYOI SMART CONNECTで、汎用的で、高度な自動仕訳を実現していた。

 同社では、弥生会計オンラインに、「スマート取引取込」機能を用意。これにより、自動仕訳の環境を一気に広げる考えだ。「スマート取引取込」は、YAYOI SMART CONNECTが法人の銀行口座にも対応することで実現するもので、銀行明細やクレジットカードなどの取引データを、CSVデータでインポートできるようにしたほか、2015年10月からは、自動取込にも対応。そのデータは、自動仕訳されることになる。

 「取引の多くの部分を占めると言われる銀行取引の仕訳が自動化され、業務の大幅効率化が可能になる。また自動仕訳の学習機能により、仕訳精度が向上し、手間を大幅に軽減できる」とする。

 また、2015年12月から提供する「OCR取込」では、スキャナーで読み取った証憑類から、OCR処理で取引データを生成し、さらに取引データを仕訳データに自動変換する機能を提供。証憑の整理、ファイリングから仕訳の入力までを一気通貫で自動化できるという。これを実現する背景には、2016年1月1日からの電子帳簿保存法の改正が背景にある。同改正法では、証憑類の電子保存に対応し、元となった証憑類を廃棄することが可能になるもので、この規制緩和による証憑電子化および自動仕訳の実現が、証憑整理や入力といった手間を削減し、会計業務を劇的に変えていくというわけだ。

晴れの日だが、曇り空

 会見が行われた7月7日は、七夕ではあったが梅雨の真っただ中。

「今日は、我々にとっては晴れの日であるが、外は梅雨の曇り空。梅雨空のなかでも、がんばっていきたい」と岡本社長。手作業ばかりの会計業務1.0は、いまから考えれば土砂降りの雨のなかでの作業を強いられていたようなものだ。そして、会計業務2.0は、業務の半分が自動化されたということを考えると、この日の曇り空のようなものだろう。それに比べれば、完全自動化が図られる会計業務3.0は、まさに晴れの日のようだ。会計業務3.0へ踏み出した弥生の状況を示すには、むしろ、最適な日だったのもかもしれない。

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