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「見える」からわかる!システム障害の原因をあぶり出すテク 第2回

迅速な障害原因の切り分けを行い、効率的な対応を実現するためのツール

ネットワーク?サーバー?QoEダッシュボードで障害原因が見える

2015年07月14日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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ユーザーからの問い合せはいつも「あいまい」

●今月のトラブル発生!
「原因はわからないんだけど、さっきからFTPサーバーへのファイル転送がいつもより遅いんだよね。そういえば業務アプリも重いような気がするし、何かトラブルが起きてるんじゃないの?」

 このように、ユーザーからIT管理者への問い合わせはいつも「あいまい」だ。ユーザーとしてはアプリケーションが快適に使えさえすればそれでいいのだが、管理者がトラブルの原因を調査し、突き止め、解決するためには、こうしたあいまいさが“大敵”となる。

 たとえば上述の例の場合、原因はネットワークかもしれないし、サーバーかもしれない。あるいはアプリケーションやデータベースの不具合かもしれない。FTPと業務アプリという2つの障害の原因が1つなのか、別々なのかもわからない。いわゆる「障害原因の切り分け」がまったくできていない状態だ。

 原因の切り分けは、さまざまな手がかりを基に段階的に進めることになるが、まずはネットワーク担当者、サーバー担当者、データベース担当者……と全員が総掛かりであらゆるログやステータスを調べ、「(何かは不明だが)何らかの異常」が起きていないかどうかを確認していくことになる。いかにも“暗中模索”という感じで、まったく効率的ではないし、原因を突き止めるまでには時間がかかるだろう。たとえシステムの構成要素ごとにリカバリー手順が用意されていたとしても、原因がわからなければ復旧はおぼつかない。

ソーラーウインズのQoEダッシュボードで「見える」

 ソーラーウインズの「Network Performance Monitor(NPM)」は「QoEダッシュボード」という機能を搭載している。QoEは「Quality of Experience」、つまり「ユーザー体験品質」という意味で、文字どおり「何がユーザーの快適なシステム利用を妨げているのか」をわかりやすく示してくれるツールだ。

ソーラーウインズのNPMが備える「QoEダッシュボード」の画面。ブラウザから監視できる

 QoEダッシュボードの特徴はまず、ネットワーク機器、物理/仮想サーバー、アプリケーションといった幅広いシステム構成要素のパフォーマンスやトラフィックの状態を、一画面上でまとめて可視化できることだ。これにより、ネットワーク/システムで何が起きているのかの全体像が一目で把握できるため、トラブルの原因がどこにあるのかが見つけやすい。

 また、ネットワーク機器や物理/仮想サーバーから収集したデータだけでなく、ネットワークを流れるパケットを解析(DPI:ディープパケットインスペクション)することでアプリケーションを識別し、アプリケーションごとにパフォーマンスやトラフィックを可視化できる点も特徴だ。

QoEダッシュボードは、ネットワーク/サーバー/アプリケーションのさまざまな状態を示す「ウィジェット」(画面パーツ)により構成される

 なお、ネットワーク機器や物理/仮想サーバーからの情報収集にはSNMPや各ベンダー独自のプロトコルを用いており、エージェントレスで実行できる。またアプリケーション情報の収集は、スイッチやルーターのミラーポートに解析サーバーを接続することでDPIが実行できるほか、サーバー/アプリケーション側にエージェントをインストールすることもできる。解析サーバー/エージェントとも同じデータが取得できるので、管理者やシステムの都合により使い分けることができる。

(→次ページ、実際にアプリケーション/ネットワークの状態を「見て」みよう

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