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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第72回

サンフランシスコを飾った「歴史的」なLGBTのパレード

2015年07月02日 20時30分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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参加が危ぶまれていたFacebookも、晴れてSF PRIDEのパレードに参加していた。Instagramでは、虹の絵文字のハッシュタグを用いたキャンペーンを展開した

 6月の最後の週末、サンフランシスコの街はレインボーフラッグで染まりました。恒例となったLGBTのパレード「SF PRIDE 2015」が6月29日に開催され、非常にたくさんの人々が、目抜き通りであるマーケットストリートのパレードに声援を贈っていました。

 LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った略で、性的少数者の尊厳と権利、文化の尊重を訴えたパレードです。6月に開催されるのは、1965年にニューヨークで起きたゲイバーの警察による弾圧をきっかけに起きた暴動に起因しています。

 その意味で、LGBTのイベントであるPRIDEパレードの本場はニューヨーク、ということになりますが、おなじみとなった現在の6色のレインボーフラッグが策定された地ということもあり、サンフランシスコでのパレードの規模も大きなものとなっています。

歴史的なパレード、自由さと表現と

 今年のパレードは、一段と熱を帯び、「歴史的」なものになったとの声も大きいものでした。

 パレードの直前となる6月26日、米国最高裁は、同性婚を合法との判断を下しました。「結婚は異性間」と定めているオハイオ、ミシガン、ケンタッキー、テネシーの4つの州の州法の合憲性についての裁判で「違憲」と判断されたのです。

 すでに37の州では同性婚を認めており、2013年には最高裁で同性婚カップルへの権利を認めてきましたが、今回の判断はより踏み込んだ、米国における同性婚カップルの議論の最終的な段階を表しており、ゆえに「歴史的」なパレードとの呼び声も高まりました。

 SF PRIDEは45回目を数えます。今年のテーマは「Equallity without Exception」、例外無き平等を掲げ、同性婚という米国では克服しつつあるテーマを超えて、貧富の格差、動物や環境の保護、食などのテーマを扱う参加者、団体も増えました。

 もちろん、法制度の面での勝利だけでこの問題が解決するわけではありませんし、米国以外の国々でも同じ問題を抱え悩んでいる人々がいます。ただ、これまでの活動が着実に社会に拡がり、結実していく様子に、とてつもないエネルギーを感じ、達成感に共感を寄せることができるのです。

テック企業も賛同し練り歩く

 米国最高裁の判決とSF PRIDEには、地元のテクノロジー企業からも賞賛の声が集まっています。

 自身も同性愛者であることを空かしたAppleのCEO、Tim Cook氏は、Twitterで、「平等と不屈の努力と愛が勝利を収めた」「世界を変えられると考えるくらいいかれた人々は、世界を変えていく人たちなのだから」と、Think Differentキャンペーンの最後の一説を引用しました。

 また、SF PRIDE当日には、オリジナルのTシャツを着た8000人ものアップル社員とその家族がパレードに参加している様子をTwitterにポストしました。TシャツはレインボーカラーがあしらわれたAppleロゴの輪郭と、「Pride」の文字のみ。そういえば、前述のキャンペーンを行っていた時代のAppleロゴはレインボーカラーでしたね。

 その他にも、Salesforce.comやFacebook、Netflix、AirBnB、Tesla、Google、Dropbox、Yahoo、Uber、Lyft、NASA、Intel、SoundCroud、Adobe、Twitterといった面々が、パレードに参加していました。特にGoogleは、自動運転車をパレードに参加させており、注目を集めていました。おそらく自動運転モードではない、とは思うのですが。

Salesforce.comやNetflixも、趣向を凝らしてパレードに参加していた

 これらの企業は、パレード以外にも、アプリや自社サービス内でレインボーフラッグのデザインを採用しています。

 たとえばGoogle検索でLGBTを調べると、検索画面の上部が虹色になります。またUberアプリでは、クルマの現在位置を示すアイコンがレインボーのライトを照射しているようなイラストに変更されていました。Yelpアプリも、ロゴが虹色になっていました。

パレード以外にも、自社サービスでSF PRIDEに賛同するギミックも面白かった。たとえばGoogle検索では、LGBTを調べると検索画面にレインボーカラーが登場する

 テクノロジー企業のLGBT活動へのサポートは揺るぎないものになっています。以前米国の産業の中でも新興勢力であり、労働環境から給与の問題、法制度との対立など、社会の中で様々な議論を起こしている企業は、LGBT活動の支援について、非常に大切にとらえているように感じます。


(次ページでは、「パレードへの参加に賛否両論があったFacebook」)

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