シンガポールで開催されたHPの報道関係者向けイベント「HP PPS Innovation Day」。レポート第1回はSFチックな手操作でコンテンツの作成が可能な一体型PC「Sprout by HP」、第2回は、日本向けに開発された1kgのモバイルノート「EliteBook Folio 1020 G1」などのPC製品を紹介した。続いては、分社化して誕生する「HP Inc.」のもう1つの柱、プリンター関連だ。
サーバーは「Hewlett-Packard Enterprise」、ワークステーションとPCは「HP Inc.」に分割されるが、プリンターは印刷業向けの大判プリンターから家庭用プリンターまで一括して「HP Inc.」の管轄となる。
イベントが行なわれた「Graphics Solution Centre of Excellence(CoE)」は、インクの生産設備であると同時に、日本国内に持ってくるのも難しい大型プリンターのデモンストレーションの場であり、今回は日常生活で見る機会はまずない巨大なプリンターに出会うことができた。
Indigoがターゲットとする産業印刷は、シェアの9割以上がオフセット印刷だという。印刷イメージの「版」を作り、この版で印刷するオフセット印刷は、同じ内容を大量に印刷する用途に適しているのだ。
一方、Indigoは「版」を作らず、1部1部で異なる内容を印刷できる。製品名的には「“Printer”ではなく“Press(印刷機)”」だが、巨体なプリンターと考える方がわかりやすいだろう。ラベルの一部だけ異なるデザインで印刷することも可能だ。大量生産の製品でありながらラベル1枚1枚にユニークな名前を印刷した、コカ・コーラの「ネームボトル」はデジタル印刷なくては実現できなかったのだ。
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