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価格・機能・拡張性、そして音質、すべてが常識を逸脱

Astell&Kern AK380は、色々な意味でDAPの概念を変える

2015年06月12日 15時00分更新

文● きゅう/ASCII.jp

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夢なのか高嶺の花なのか、超絶な新製品「AK380」の実力を探る

 超ハイエンド機になると予想されるAstell&Kernの「AK380」関連記事)。

 価格や国内販売の時期に関しては、まだ明らかになっていない。しかし既存の「AK240 Stenless Steel」(実売30万円台後半)の上をいく機種ということもあり、実売40万円台後半~50万円程度の価格に落ち着くのではないかと予想されている。過去のポータブル機で、ここまで高価な機種は正直思いつかない。

Astell&Kern AK380 256GB メテオリックチタン

 もちろん内容に関しては、当然のように充実している。DACチップを含めて内部の回路を一新。旭化成エレクトロニクス(AKM)の「AK4490」を左右独立で使用している。従来のハイエンド機「AK240」は、シーラス・ロジックのCS4398という10年以上前のDAC ICを使用していたが、AK4490は昨年秋に登場したばかりの最新鋭チップだ。これに超高精度のVCXO Clock(電圧制御水晶発振器)を組み合わせて、ジッターを極限まで低減している。

 オーディオ用デバイスは使いこなしも必要で、最新が必ずしもいいというわけではないが、AK4490は、帯域外ノイズを非常に低く抑え、歪みも少ない(THD+N:-112dB)。まさに最新チップというのにふさわしい性能を持っている。

 実際に聴いてみるとワイドレンジかつ豊富な情報量に加え、分離の良さ、見通しのよさ、切り込みの鋭さなどを感じ、DAC ICの変更が生きているように思える。

 再生可能なファイルについては、AK240同様、DSDが最大5.6MHzまで。PCMが最大384kHz/32bitまでとなる。ただし、いずれもネイティブ再生に対応している。AK240でも最大384kHz/32bitのPCMデータを扱えたものの、内部で一度192kHz/24bitの品質に落とした上での再生だった。

高級ネットワークプレーヤー並みのDLNA再生に対応

 “AK CONNECT”と命名された、DLNA機能も見逃せないポイントだ。AK240もWi-Fi機能を持ち、オンライン配信サイトから直接楽曲を購入したり(国内では未対応)、メディアサーバーから楽曲をストリーミング再生できる点がアピールされていたが、より強化されている。

AK CONNECTの機能はホーム画面上の分かりやすいアイコンから呼び出せる(写真は5月16日開催の新製品発表会で展示された試作機)。UIは変更の可能性がある。

 スマホやタブレットのアプリでAK380の選曲操作ができたり、AK380自身がサーバーとなり、内蔵ストレージやmicroSDカードに保存している楽曲を、別の機器で再生できるようになっている。

 このほかボリューム調整やEQの精度に関しても改善が加えられ、ハイエンドにふさわしい充実した機能を持つモデルに仕上がっている。EQは従来のCPU処理から専用のDSPも追加した処理に変更。GUIに関しても改善が加えられており、専用オプションのCDプレーヤーとの組み合わせで、PCレスでのリッピング、メタタグの追加も可能となっている。

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