中高域解像度重視のCH2000に低域解像感がプラス=EHP-CH3000
先ほども触れたがEHP-CH3000/3000Sシリーズの開発を担当したのは、ミドルレンジの先行製品であるEHP-CH2000シリーズの開発チーム。EHP-CH2000シリーズの発売後に寄せられた「(本体が)重い」という声に応えて、ハウジングを真鍮からアルミに変更、軽量化に成功したが、意外にも製品を構成する金属部品は増えているというから興味深い。
EHP-CH2000シリーズでは中高域の高解像感を目指し、その再現力に高い評価を得た。しかし開発チームは、ハイエンドたるEHP-CH3000の開発目標として“中高域はそのままに低域の解像度を強化”することを掲げたのだそうだ。
また、振動板の基部の材質を「テイジン テトロンMLF」に変更。振動板自体もラジアル構造のリブを設けることで剛性を強化したという。その結果、自然な音の広がりを実現する高域特性が追加され、低~中~高域の全域で解像度の向上がみられたそうだ。
なお、EHP-CH2000から引き続き「前置ネオジウムマグネット」と、ドライバーとボールピースそしてマグネットを同軸上に配置してレスポンスを向上させる音孔構造「Magnetic Turbo Axial Port」が採用されていて、低音の再現に寄与している。
筆者も、たまたま手元にあったドコモ「Xperia Z3 SO-01G」にEHP-CH3000Sを直差し、拙い耳で視聴してみた。音源は奥田民生のアルバム「O.T. Come Home」(moraで入手/FLAC 88.2kHz/24bit)で、手持ちのiTunes音源(AAC 44.1kHz/256kbps)と聞き比べてみた(クラシックやジャズでの試聴を期待した皆さん、すみません)。
それは置いておいても実際に耳にしてみると、音域が広いのは明瞭でボーカルやギターに、より“厚み”が感じられるような気がした。また、スタジオのマイクで収録しているボーカルの“息づかい”のようなモノまで聴き取れる気すら覚える。
価格はEHP-CH3000が1万5984円、EHP-CH3000Sは1万7064円(いずれもエレコムダイレクトショップ価格/税込)。ハイレゾ対応インナーイヤホンのハイエンド製品としては、なかなか手ごろな価格ではないだろうか。
一日中でも装着できる!? ハイエンド音質&低ストレスな
Bluetoothオーバーヘッドフォン「LBT-OH100」
次に紹介する「LBT-OH100」もハイエンド。エレコムのBluetoothオーバーヘッドホンの最上位となる製品だ。
エレコムのBluetoothオーバーヘッドホンは「屋内外問わず、装着し続けながら生活している人」に向けて作られている製品。Bluetoothオーバーヘッドホンにも多数の製品があってそれぞれに製品コンセプトがあるだろうが、同社のそれは他社とはひと味違っているようだ。
LBT-OH100の場合、着け心地に大きな特徴がある。オーバーヘッドホンには、耳の上に置く「オンイヤー型」と、耳全体を包み込む「アラウンドイヤー型」があるが、LBT-OH100は基本的にオンイヤーでありながら、アラウンドイヤー型の特徴も有している。
イヤーカップが人間の耳の形に沿うような角度・形状になっていて、両耳を上から押さえるかたちで装着することになるのだが……意外にも耳にかかる側圧が、耳の手前などに上手く分散され、装着時の痛みを感じにくい。それでいてフィット感が高いという設計になっている。密閉感・遮音性も予想以上。
質量は約277gあり、手で持ったときにはそれなりの重さを感じるのだが、いざ装着してみると、数字ほどの重さは感じないから不思議なものだ。そして当然ワイヤレスだからケーブル周りのわずらわしさを感じることもない。
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