富士通は4月12日、米マイクロソフトと共に、製造業プロセスの変革をIoTイノベーションで行なうための協業を発表した。
これは、Windows 8.1 Proベースの富士通製デバイス、Microsoft Azureを活用したクラウドサービス「FUJITSU Cloud A5 for Microsoft Azure」のIoTサービス、および富士通のIoTプラットフォームなどを活用した、製造業分野におけるイノベーションに向けて協業するというもの。
その第一弾として富士通は、福島県会津若松市にある富士通グループの工場で、管理者や技術者向けに製品品質の向上、システムの統合、機能性を向上させる検証を行なった。この検証では、「FUJITSU Sustainability Solution 環境経営ダッシュボード」、IoTプラットフォーム、「A5 for Microsoft Azure」、Windowsタブレットを活用したという。
富士通は、半導体製造で培った技術、「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai」などのICT技術やサービスを活用。カリウム摂取制限のある人でも安心して食べられる低カリウムレタスの栽培を、半導体工場のクリーンルームの一部を転用した大規模植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」で展開している。
次のステップとしては、IoTやM2M技術を活用した「環境経営ダッシュボード」を導入し、さらなる品質向上や機能性向上、生産性向上の実現に努める。
具体的には、散在する様々なデータを、「A5 for Microsoft Azure」上の先進的な手法や、使いやすいユーザーインターフェースを用いて分析・検証。富士通の「環境経営ダッシュボード」で、製品品質、プロセス効率性、および設備の性能を同時に管理することで、オペレーションの向上およびエネルギーコストの削減に貢献するという。
本協業について、米マイクロソフトのマネージング ディレクター ディスクリート製造業担当のサンジェイ・ラヴィ(Sanjay Ravi)氏がコメント。「機械学習など、最先端のICT技術で、次世代のものづくりを可能にする富士通とのパートナーシップを誇りに思います。富士通のイノベーションは、ものづくりにおける操作性を新たなレベルに向上させるとともに、製造業におけるデジタルビジネストランスフォーメーションを加速させます」としている。
また米マイクロソフトは、今回使用したテクノロジーソリューションや栽培技術への実装をハイライトした詳細な情報やビデオを、「マイクロソフトのブログ」で公開している。