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T教授の「戦略的衝動買い」 第324回

約13万円の高級デジカメスマホ「LUMIX DMC-CM1」を衝動買い!

2015年03月18日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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スマートであるがゆえに
カメラとしての使い勝手が犠牲に!?

 筆者が勝手に「元祖クラウドカメラ」と呼んでいるGALAXY Cameraは、業界で最初にクラウドストレージのDropboxに自動的に撮影写真のバックアップやアップロードを行なった画期的なスマホベースのデジタルカメラだ。

メニューの上から3行目の「自動バックアップ」をオンにすれば、撮影写真が自動的にGoogle Driveにバックアップ&アップロードされる

メニューの上から3行目の「自動バックアップ」をオンにすれば、撮影写真が自動的にGoogle Driveにバックアップ&アップロードされる

Google Driveへの自動バックアップをONに。条件としてWi-Fi接続時のみ行なうように設定した

Google Driveへの自動バックアップをONに。条件としてWi-Fi接続時のみ行なうように設定した

実際のGoogle Driveを見てみた。Drive Backupホルダーにアップロードされる

実際のGoogle Driveを見てみた。Drive Backupホルダーにアップロードされる

 CM1も、ユーザーが簡単な設定さえすれば、同様の撮影写真の自動バックアップ転送をGoogle Driveを対象に行なってくれる。これはPCやタブレットでCM1で撮影した写真を共有して活用したいユーザーにとっては極めて便利な機能だ。

CM1は片手で簡単に持てて、シャツのポケットにも入り、携帯性能は抜群だ

CM1は片手で簡単に持てて、シャツのポケットにも入り、携帯性能は抜群だ

 CM1は最新のテクノロジーを注ぎ込み、極めて高機能なデジカメ機能を、薄くスタイリッシュなAndroidスマートフォンにハイブリッドした画期的商品だ。しかし、機能のスマートさ以上に、スマート過ぎる本体のスタイルは、ある面、カメラとしてユーザーの使いやすさを阻害している部分もありそうだ。

特徴であるコントロールリングは、出っ張りが少なく使いづらく、操作中に何度か落としそうになったので、安全のために専用ケースを止むなく購入

特徴であるコントロールリングは、出っ張りが少なく使いづらく、操作中に何度か落としそうになったので、安全のために専用ケースを止むなく購入

 極めて軽く薄い本体と、出っ張らないスマートなレンズは、CM1を常時持ち歩くには極めて便利だ。しかし、ストラップさえ付けることの出来ないほどスマートな本体を、魅力的なコントロールリングで操作していると、両手で扱っていても、うっかり落としそうになってしまう。

カバーの厚みで、ますますコントロールリングは回し辛くなってしまった

カバーの厚みで、ますますコントロールリングは回し辛くなってしまった

 本来ならむき出しで使いたいCM1ではあるが、筆者はやむなく専用ジャケットに入れて使っている。首からぶら下げられるようになり、四隅を保護してくれるジャケットの存在で多少の安心感は増したが、今度は特徴的で何時も使っていたいコントロールリングの出っ張りがますます短くなり、ますます親指と人差指の2本の指先でつまんで回し辛くなってしまった。

 操作性能よりも可搬性を重視した薄型デザイン優先の結果なのか、ただでさえ高さが足りずに立ち位置では極めて回し辛い素晴らしいコントロールリングが、ますますユーザーの意思とは離れて扱い辛いモノになってしまった。

 CM1のコントロールリングは、どこにでもあるスマホ+デジカメに飽きたらないマニアックなユーザーのツボを刺激する魅力的で重要なギミックだ。しかし、同時に“機能の完璧な実現”はデザインより常に優先されなければならないはずだ。

今後のデジカメワールドはこの3つのタイプ+ただのコンデジの4種類でまだまだ繰りかえされるのだろう

今後のデジカメワールドはこの3つのタイプ+ただのコンデジの4種類でまだまだ繰りかえされるのだろう

 限りなくアナログカメラの近くに寄り添い、必要最低限に絞って確実なテクノロジー部分だけをデジタル化したコスパ無視の「Leica M」(Type 240)、そして、クラウドカメラの草分けとして21倍光学ズームを搭載し、アナログの操作性のよさを残したAndroidスマホとのハイブリッドデジカメであるGALAXY Camera”、最後に可搬性と撮影結果は良好だが、技術的に出来るからやっちゃった型のLUMIX DMC-CM1。

 当然のことなのだが、常時、携帯することで、人同士のコミュニケーションを最大化しようとするスマホと、調整しながら最高の撮影機能を選択するマニアックなカメラの機能には相容れないものがありそうだ。その2つをハイブリッドすることが今回の商品のテーマであり、同時に極めて難しい課題なのだろう。

 スタイリッシュな薄型のスマホデジカメであるCM1を見たときに、可搬性と操作性が両立するとは限らないということがすぐに頭に思い浮かばなかった筆者の問題だ。毎度、懲りずに同じことを言ってるが「技術的に出来る」と「使って便利」は大幅に違うのだ。

 コミュニケーションカメラDMC-CM1は可搬性と撮影結果は最高だが、コントロールリングを使って最高の結果を出すための操作性には多少の難ありだ。

 デジカメユーザーというより、スマホユーザーでより高画質の撮影結果を手に入れたい人向きだろう。筆者にとって、デジカメを複数台持たなければならない時代はまだまだ続きそうだ。

■関連サイト

T教授

今回の衝動買い

アイテム:LUMIX DMC-CM1

価格:ヨドバシカメラにて12万9600円で購入


T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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