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新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(5)

2015年03月16日 02時15分更新

記事提供:通販通信

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「非効率の効率」とは?

【CRM強化CASE10】コンテスト開催で顧客の囲い込み(1)
化粧品メーカーL社は、子ども向けの絵のコンテストを毎年開催している。優勝した作品は、商品ボトルに印刷され、限定商品として500個製造される。応募作品をすべて展示する絵画展も開催。通販は販売者側の顔が見えないため、イベントなどで顧客と触れ合うことは、顧客との関係性を向上させる貴重な機会となる。コンテストには毎年、2500~2600通の応募があるという。

【CRM強化CASE11】コンテスト開催で顧客の囲い込み(2)
高年齢者層の顧客を持つ健康食品メーカーM社は、川柳コンテストを実施。優秀者にはM社が販売するサプリメント半年分をプレゼントしている。作品や選考結果などは、チラシにまとめて会員に送付。高齢者は趣味を発表する場を求めている人が多い。自分の作品を掲載してくれる川柳コンテストのチラシは、言わば紙の「SNS」。顧客との関係性を高める役割を果たしている。

以上、「予算をかけず、ちょっとした改善でリピート率を向上させた事例」を11件、紹介した。通販は店舗を持たず、無駄を省いたビジネスモデルであるのだが、一見非効率見える取り組みも、成果から費用対効果を測定すると「結局は効率的だった」ということになる。辻口氏はこうした取り組みを「非効率の効率」と呼び、手間をかけて人と人のつながりの構築を重視する。

特に初回購入に同封するツールは、「リピートに向けた最重要な要素」になるとしている。初回同封のツールは会社の顔でもあり、購入者がじっくり読んでくれるのは、初回ツールぐらいしかない。この初回同封ツールの良し悪しでリピートするかどうかが決まってしまうと言っても過言ではないだろう。システムを利用した効率的なマーケティングも必要だが、リピート率が思ったように改善しない場合、アナログ的な作業を見直すといいかもしれない。

(つづく)
(取材・文:山本 剛資)

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■プロフィール
(株)通販総研 代表取締役 辻口勝也
健康食品、食品、化粧品、飲食業界を中心とした通信販売企業のコンサルティングを手掛ける。販売データ分析から把握できる数字による指標や、現場社員からの意見・アイデアを重視し、実地に沿ったコンサルティングに定評がある。

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【連載コラム】
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(1)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(2)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(3)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(4)

【過去連載コラム】
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>①通販事業の成否を握る経営者の本気度
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>②通販ビジネスの構造を理解する
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>③通販ビジネスを始めるにあたって(1)
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>④通販ビジネスを始めるにあたって(2)
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>⑤何よりも継続することを第一に

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