筆者は某社でモバイルPCを中心に周辺機器などのモバイル商品企画を長くやっていた。その頃、偶然世界初のUSBメモリーの企画・販売に関わったことがあった。
それゆえ、その後もUSBメモリーが大好きになり“見えるUSB”というお馬鹿な商品を考えた時期があった。
残メモリー容量だけならまだしも、内部のファイルのサムネイルイメージとファイル名をPCレスで見ようと考えたので当然ながら、当時は大きなテクノロジーギャップがあり実現はしなかった。そんな楽しい時代を思い出す商品が2月20日、東芝から発売、出荷された。
商品名称は「NFC搭載 SDHC UHS-Iカード」(以降:みえるSDHCカード)と技術系会社らしい機能的かつ正当な名前で、変にウケを狙って「みえるSDHCカード」などと軽く飛ばさないところが同社の強い信頼感につながっている。
デジカメとスマホの橋渡し的な存在
筆者が購入したのは8GB、16GB、32GBという3種類のみえるSDHCカード。極めて機能を気に入ってしまい、発表されたすべてのモデルを購入してしまった。
構造の秀逸なプラパッケージに入ったみえるSDHCカードは、簡単なスタートアップガイドと一緒にデリバリーされてくる。
過去、いくつかのギミックを搭載したSDメモリーカードやSDHCカードが登場したが、基本的にミニマムなサイズの一般的なSDメモリーカードは外観デザインやその構造はほとんど同一で、今回のみえるSDHCカードも従来の一般的なSDメモリーカードと見た目は何も変わらない。
標準サイズのSDHCカードの最大のユーザーは、誰もが知ってるデジタルカメラだ。昔はそこそこ高価だったデジタルカメラを買う層は、そのほとんどがPCも所有していたのが普通だった。
技術革新と競争の激化で時代は変化し、デジカメもPCもどんどん安くはなったが、それらに代わってデジカメ内蔵のスマートフォンが取って代わる時代になってきた。
写真を撮影するだけという単機能の低価格デジタルカメラは、スマホの登場で消滅するかと思われたが、自らの技術的革新努力と市場セグメントの選択と集中によってなんとか生き長らえている。
そんなデジタルカメラと今や特定セグメントでは誰もが所有しているスマホとの関係性を改善しようとした商品が、今回のみえるSDHCカードなのだ。
次ページへ続く、「NFC対応スマホをかざすだけで中身が確認できる」
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