新たなビジョンは「Software-Defined Workplace」
続いてキング氏は、モバイルワークスペースの進化形となる同社ビジョンについて説明した。
新たなコンセプトは「Software-Defined Workplace」だ。すでにITインフラの世界では「Software-Defined DataCenter(SDDC)」という言葉が定着し始めているが、その類義語だとキング氏は説明する。
「企業にとって最もコストがかかるのは、従業員個々人の人件費だ。したがって、個人の業務効率を改善することが、企業ビジネスを成長させるうえで大きな鍵を握っている」(キング氏)
従業員個々人の業務効率をより改善していくために、Software-Defined Workplaceでは、従来のようにITインフラやシステムを中心に考えるのではなく、人(ユーザー)やアプリ、データにフォーカスしていくという。「これが次世代のワークプレイスだと考えている」(キング氏)。
その実現のため、XenApp、XenDesktop、XenMobile、NetScalerといった製品の進化と統合をさらに強めていく。さらに、この環境を通じてIT視点(=CIO)だけではなく、ビジネス視点(=CEO)から考えた場合の課題にも積極的に取り組んでいく姿勢を示した。
もっとも、現在は「日本ではまだ、このコンセプトを伝えていく段階」(キング氏)であり、今後ユースケースを作り、具体的な姿を広めていくことになると語った。
2015年度は「ワークスタイル変革」をより広く浸透させていく
最後にキング氏は、2015年度の国内事業戦略について説明した。
「ワークスタイル変革の推進」という基本方針は変わらない。ただ、国内でも多くの成功事例が生まれているため、EBCや各種イベントを通じてそうした具体的な事例を積極的に紹介することで、より広く浸透させていく。
特に、リモートアクセスや仮想デスクトップ基盤(VDI)といったポイントソリューションから、完全なモビリティ環境の実現への“道筋”を示し、よりビジネス価値の高いソリューションの方向へと導いていくという。
また“ビジネス視点”を重視するため、IT部門だけでなくLOB(事業部門)への働きかけを強化するプログラムも検討していく、とキング氏は述べた。