Dropboxなどの安全な業務利用を目指す“第2段階”、「MobileIron CSS」
モバイルアイアン、業務ドキュメント保護の新製品を発表
2015年02月19日 09時00分更新
EMM(企業モビリティ管理)専業ベンダーのモバイルアイアン・ジャパンは2月18日、「Dropbox」などのパーソナルクラウドストレージを業務利用可能にするロードマップの“第2段階”として、コンテンツ(業務ドキュメント)保護を強化する新製品「MobileIron Content Security Service(CSS)」を発表した。
パーソナルクラウドストレージを利用可能にする“3ステップ”
モバイルアイアンでは、モバイルデバイス管理(MDM)とモバイルアプリ管理(MAM)、モバイルコンテンツ管理(MCM)の機能を含むEMMプラットフォームソリューションを提供している。グローバル市場における2009年からの累計顧客数は8000社以上、2014年度の売上高は1億4500万ドル(前年比45%増)と成長しており、MDM市場で高いシェアを誇る。
同社は昨年(2014年)10月、個人が利用するDropboxや「Box」などのパーソナルクラウドストレージを、業務上でセキュアに利用できるようにするための“3段階のロードマップ”を発表している。
第1段階:パーソナルクラウド・アクセス
第2段階:ファイルレベル・セキュリティ
第3段階:マルチベンダー対応のエコシステム
このとき発表された“第1段階”の取り組みは、ドキュメントビューワ/編集アプリの「Docs@Work」を機能強化し、DropboxやBox、「SharePoint Online」、「Microsoft OneDrive Pro」といったクラウドストレージにネイティブ接続できるようにするというものだった。これにより、Docs@Workアプリから、クラウドリポジトリ上にあるファイルを検索、閲覧、ダウンロード、セーブできるようになった。
暗号化、DLP、アクティビティ追跡を可能にするMobileIron CSS
そして今回“第2段階”として、新製品のMobileIron CSSが発表された。CSSが提供する保護機能は、Docs@Workアプリをインストールしたモバイルデバイスが前提となる。
具体的にはまず、ファイルの暗号化機能が挙げられる。Docs@Workアプリでダウンロードした業務ファイルを、ユーザーがパーソナルクラウドストレージに保存する際には、ファイル単位の暗号化を実行する。このファイルを復号して内容にアクセスできるのは、同じ企業(同じEMM)の管理下にあるDocs@Workアプリだけ、つまり同じ社内の従業員だけだ。
また、DLP(情報漏洩防止)機能も備える。ファイルごとに有効期限が設定でき、期限切れのファイルはデバイス上のDocs@Workから自動消去される。さらに、ファイルごとに操作をコントロール((閲覧のみ、ダウンロード可など)することも可能だ。
発表会で披露されたデモでは、社内/社外リポジトリそれぞれに対するポリシー設定のほか、ファイル操作ログからさまざまなアクティビティ(閲覧やダウンロードだけでなく、ほかのアプリで開いた履歴も見られる)を追跡できることが紹介された。
現在はDocs@Workが前提となっている同社のMCM環境だが、柳下氏は今後“第3段階”の取り組みとして、パートナーエコシステムを拡大していく方針だと説明した。モバイルアイアンで設定したポリシーを各社のアプリが共有し、一括管理ができるMCM環境だ。また、対応するドキュメントリポジトリ/クラウドストレージについても、幅を広げていきたいと述べた。