
Jonathan Zufi氏が自らのコレクションを撮影したApple革新の歴史を追いかけた写真集「ICONIC」。非常に貴重なプロトタイプの写真なども掲載されており、見応えがある
皆さんはApple製品、いくつ手元に持っていますか?
いくらAppleファンだとしても、さすがに50点を超える人は少ないのではないでしょうか。ましてやパッケージや箱まですべて補完しようとすると、ちょっとした電気屋さんのApple製品の棚以上のスペースは必要になってしまいます。
筆者はさほど熱心なファンとは言えないかもしれません。2014年に購入したApple製品はiPhone 6 Plusだけ、という何とも不熱心な態度。おそらく2015年は、もう少しマジメに取り組むことができるはずです。すべてはAppleのさじ加減、といところではありますが。
古い製品もあまり残っていません。数回の引っ越しのたびになるべくものを減らそうと心がけており、箱はすぐに処分してしまうし、古い製品も下取りやリサイクルに回してしまいます。手元に残っているのはほとんどありません。
かろうじて、初代iPod、初代iPadは持っていますが、これらも自分が使っていたものなので、それなりの傷やバッテリーの劣化などがあります。多分初代iPodはFireWireケーブルすら手元になくなってしまったので、もはや充電すらできないでしょう。
筆者の住むバークレーは古くからの大学の街。街のコンピュータ修理ショップは古いApple製品の宝庫です。もしも初代Macintoshが欲しければ、すぐにでも手に入るような街。まあ、駅前でいつでも眺められるなら、家になくても良いか、と。
十数万点にのぼるApple製品の写真を撮影したZufi氏
Apple製品が好きでもマジメにすべてを取っておく人はほとんどいないでしょう。だからこそ、Jonathan Zufi氏の長年にわたる努力は、賞賛に値するのです。
2013年1月に、Zufi氏は自分のApple製品のコレクションを1冊の写真集「ICONIC: A Photographic Tribute to Apple Innocation」という本にまとめました。筆者はこれに2014年までに発売されたプロダクトや、プロトタイプの追加写真が加えられた最新版をデスクに飾るようになりました。
Image from Amazon.co.jp |
![]() |
---|
Iconic: A Photographic Tribute to Apple Innovation |
Zufi氏は現在SAPの北米モバイルイノベーションセンターに勤めるエンジニアですが、Apple製品のコレクションを持っており、独自の撮影スタジオをまで作って、Appleの広報写真顔負けの高いクオリティーの写真を撮り続けてきました。
写真を見ると驚かされます。プラスティックや金属の表面のテクスチャーまで、まるで手に取るように分かります。
大きな判型のページをいっぱいに使って、その製品の特徴的なパーツに迫る、おそらくその製品を持っていたとしても、こんなに近くにまでのぞき込んだことはないだろう、という迫力があるのです。
340ページにもわたる写真集「ICONIC」では、自分が生まれる前の製品、自分がMacを持つ前の製品、そして自分が持っていた製品が、生き生きと登場していました。「歴史的写真集」と銘打ったのは、Appleが製品に対して楚々いてきた並々ならぬ情熱を、Zufi氏がそのままアーカイブしたからです。
(次ページでは、「見所はプロトタイプと忘れ去られそうな周辺機器」)

この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ