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長~く使える極上のPCケース2014 第2回

長~く使える極上のPCケース2014【Phanteks/Thermaltake編】

2014年12月30日 12時00分更新

文● 千駄木 和弘

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 唯一おかしいと感じるのは3.5インチシャドウベイ部。一般的な感じで“正面からみて左側"のサイドパネルを開けてケース内部にアクセスすると、3.5インチシャドウベイにアクセスできない。

 通常とは逆の“正面からみて右側"のサイドパネルを開けると3.5インチシャドウベイにたどり着くのだ。その理由は、ラジエーター設置時のホースの取り回しが優先されているためだ。

サイドパネルを開けると内部は余裕のある広々空間。別体式水冷クーラー用のポンプやリザーバータンクを固定するための取り付け穴やクッションが用意されている。通常のケースなら存在するはずの3.5インチシャドウベイが見当たらない

右側を開けるとシャドウベイにたどり着く。シャドウベイ数は合計6基。HDDケージを取り外すと前面冷却ファンに沿う形で240mmラジエーター設置スペースを確保できる。5インチベイの側面には2.5インチSSD/HDDを2基取り付け可能

HDDケージの前にもラジエーター固定ブラケットがつく。HDDケージをつけた状態ならばHDD冷却用ファンを固定でき、HDDケージを取り外せばサイドにエアフローを向けた240mmラジエーターが設置できる

140mmファンなら正面2、上面3、側面2、背面2、底面2で計11基を接続できるため、電源供給用の基板がマザーボード裏に設置されている。ここから分岐させて多数のファンでも回転数を制御できる

ストレージ同様、電源ユニットもマザーボードの裏側、つまり右側面に設置する。これは裏配線がしやすいので、ケーブルマネジメントを気にする人にはありがたい仕様。電源が乗る部分には制振ゴムも用意されている

写真で140mmファンが固定されているが、これが実はラジエーター固定ブラケット。ブラケットを使うと280mmまで、ブラケットとHDD固定ケージを取り外すと480mmサイズのラジエーターを搭載可能だ。横に引っ張りだす防塵フィルターは外しやすくてグッド。ひたすら電源容量を求めるヘビーユーザーに向けた仕様としてデュアル電源にも対応。写真の140mmファンを外せばてサブ電源ユニットを設置可能だ

 各項目で事あるごとに「ラジエーターの設置が可能」と書いていたが、本製品は合計で5基のラジエーター搭載可能のスーパー水冷特化ケースだったのだ。改めて設置できるラジエーター長と、位置、条件を整理しよう。

設置できるラジエーター
上面
(上面メッシュパネルの下)
120、140、240、280、360、420、480mmまで設置可能
前面下部
(前面ファンの裏)
120、240mmまで設置可能。HDDケージを取り外す必要あり
背面 120mmと140mmが設置可能
側面
(HDDゲージ付近)
120、140、240、280mmが設置可能。
固定ブラケットとHDDをケージを取り外すと360、480mmまで対応

他の追従を許さない
ぶっちぎりの水冷クーラー王

 巨大フルタワーPCケースと一口にいっても、ストレージ満載で運用するものや、余裕のエアフローを実現するものなど、その設計思想はさまざま。

 「Enthoo Primo」の設計目標は“とにかく水冷”だ。それゆえに巨大ではあるがシャドウベイが6基しかなかったり、しかもベイ取り付け方向が逆だったりと、クセのある設計となっている。しかし、それはすべて水冷クーラーのため。

 最大で5基のラジエーターを設置でき、余裕のあるホースの取り回しやポンプ設置ができるなんて、他のPCケースでは決して真似できないこと。

 そこまで水冷クーラー環境が必要な用途はなにかなど、そんなのは後で考ればいい……。この尖りまくった設計思想にビビっときたら、PCショップへGOだ。

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【機材協力】

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