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ベニスアップデートとピジョンアップデートの違い

2014年12月24日 17時30分更新

記事提供:SEMリサーチ

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2012年2月のベニス(Venice)も2014年7月のピジョン(Pigeon)も共に、近年の Googleローカル検索関連アルゴリズムのアップデートとして大きな影響のあるものだった。共にアップデートのロールアウト後、ウェブ検索結果からローカル検索結果に至るまで、広範囲に渡り順位変動をもたらしたからだ。

さて、両者の違いがよくわからないという人のために、ここでベニスとピジョンの違いについて解説をする。

ウェブ検索結果をローカライズするベニスアップデート

ベニスアップデートとは、地域依存性の高い一般キーワード(弁護士、病院、宅配弁当、水族館、レストラン、カフェ、バー、映画館、クリーニングなど)で検索した時に、ウェブ検索結果をユーザーの検索場所に基づいてローカライズするアルゴリズムの変更だ。例えばユーザーが東京都渋谷区内で「水族館」と検索すると、ウェブ検索結果にはいくつかの渋谷区周辺の水族館へのリンクが含まれる。しかし愛知県名古屋市から同じく「水族館」と検索すると、今度は名古屋市周辺の水族館へのリンクが含まれる。このように、検索ユーザーの現在地(検索した場所)に関連するように検索結果をパーソナライズするのがベニスアップデートだ。

cf. Google、検索者の現在地に基づきランキング変更するヴェニスアップデート(相当)を日本でも適用


ウェブ検索で用いてきた検索技術を取り込んだピジョンアップデート

ピジョンアップデートとは、ローカル検索結果全体の品質改善を目的に、正確で関連性の高いローカル検索結果を提供するためのアルゴリズム変更で2014年7月24日に米国でロールアウトされた。ローカル検索のランキングを決定する時に、ウェブ検索で用いてきた様々な技術やシグナルと密接に連携するようになったことが特徴。このアップデート後、地域情報のディレクトリが上位に目立ったり、ローカル検索結果枠内に表示されるリンク数が減少(7つから3つへ減る等)などの変化が観測された。

まとめると、ベニスアップデートは、ウェブ検索結果をローカライズ(検索利用者の現在地に合わせてパーソナライズ)するアルゴリズムの変更、ピジョンアップデートは従来のウェブ検索ランキングシグナルをより積極的に活用することでローカル検索結果全体の品質を高めるアルゴリズムということだ。

cf. 米Google、ローカル検索の精度高める Pigeon Update を公開


Google日本語検索にもベニスアップデートは適用されたの?

Googleから公式発表がないので、実際のところは不明だ。ただ、2014年12月中旬以後、Google検索及び Yahoo!検索で観察されている地域情報関連の検索順位変動は、2012年2月(ベニス直後)に米国で観察された順位変動内容や傾向に限りなく近いものだ。アルゴリズムに対する名称は、その概要やコンセプト、アプローチに対して命名されることが多いので、その意味で「ベニスアップデート」としているが、厳密に言うなら「ベニスアップデート相当」だろう。本サイトではとりあえず「ベニスアップデート」としている。

cf. [解説] Googleベニスアップデート、地元密着の事業者やメディアに恩恵?

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