“IoT”ではなくて“魔法”の時代がくる
2014年のいまになってスマートフォンが国内で6000万台も稼動するようになって、ようやくこの状況は変わりはじめているのかもしれない。パソコン甲子園では、高校生たちがプログラミングの超難問をバリバリ解いたり、中途半端なスタートアップよりまともなアプリが平気で出てくる。Tech Instituteでも50名の男女が、Playストアでのアプリ公開を目指して学んでいて、12月にはその成果発表をかねた「プログラミング・デイ 2014」というシンポジウムを開催予定だ(CANVASの石戸奈々子さん、元グーグルの村上憲郎さん、ゲームクリエイターの伊藤ガビンさんなどが登壇)。
スマートフォンの時代に続いて、これから“IoT”(インターネット・オブ・シィングス)の時代がやってくるといわれている。これは「モノのネットワーク」と解説されることが多いが、要するに世の中のモノやコトがすべて“かしこく”なるということだ。パソコン甲子園の交流会で、ジャーナリストの林信行氏と意見があったのは、それって“魔法”というスケールで見たほうがいいという話だ。
インターネットも、本来の意味は「ネットワークのネットワーク」だが、それを意識してサービスを考えている人はあまりいない。同じように「モノのネットワーク」と考えると、発想が限定的になってしまうと思うのだ。ハリー・ポッターみたいな“魔法”のある時代をデザインするのが、これからの人類の仕事になっていくはずである。それを動かすのはプログラムとデータだから、いま日本の高校生や若い人たちが変化してきているというのは“間に合ってよかった”という感じなのか、どうだろう?
遠藤 諭(えんどう さとし)
角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員。『月刊アスキー』編集長、アスキー取締役などを経て、2013年より現職。スマートフォン以降に特化したライフスタイルとデジタルの今後に関するコンサルティングを行っている。『マーフィーの法則』など単行本もてがけるほか、アスキー入社前には『東京おとなクラブ』を主宰。著書に『計算機屋かく戦えり』など。『週刊アスキー』にて巻末連載中。
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