商品をゆっくりと体験でき、納得して購入できる
ソニーストア 大阪
ソニーマーケティングの河野弘社長は、「ソニーマーケティングが目指しているのは、ソニーファンの創造であり、カスタマーとのダイレクトリレーションを軸としたカスタマーマーケティング。顧客視点でどう見えているのかということが大切であり、ここに力を入れることを社内に徹底している。その観点から最重要拠点となるのが、ソニーストア。Face to Faceで最も濃い顧客体験を提供する場になる。そして、ソニーが最も伝えたいメッセージを伝えることができる場所でもある」と語る。
情報発信としての役割とともに、エレクトロニクス事業に限定されないOneSonyとして顧客接点機能、商品販売機能の観点からも、ソニーストアの役割があるほか、ソニーショップとの合同展示販売会や特別体験会の実施、量販店の新人研修や商品勉強会の場として活用するなど、流通パートナーとの連携の場にもなっているという。
ソニーストア 大阪の堺本浩司店長は、「急かされず、ゆっくりと商品を体験することができ、納得して購入できるのがソニーストア 大阪の特徴。直営店ならではのサービスや、新製品の先行展示、開発者のトークショーなどを通じて、ソニーファンを増やしていきたい。ソニーの世界をぎゅっと詰め込んだ店がソニーストア。もし購入していただかずに店舗を出たとしても、ソニーとの距離を縮めてもらえるような、おもてなしを提供したい」とする。
ソニーでは、付加価値モデルこそ“体感”が必要であるという考え方に基づいて、カメラを自由に体感し、レンズとアクセサリーのすべてを楽しめる「α7体験会」、高音質を感じることができる「ハイレゾ体感展示」、使用シーンを想起させる「タブレット体感展示」などに取り組んでいる。
ハイレゾに関しては、アニメユーザーを対象にアニソン視聴会を開催したり、マイケル・ジャクソンやビリー・ジョエルなどのテーマにした視聴会を開催し、ハードウェア中心の集客ではなく、コンテンツ中心の集客を図ることで、ソニーファンの拡大にもつなげているという。
こうした、ソニーの国内販売をおける各種トライアルを行なう「ラボ」ともいえる取り組みも実施。成功体験は、世界中のソニーに向けて発信しているという。「販売や提案の観点では、ソニーの中のモルモットとしての役割を、ソニーストア 大阪が担っている」とも語る。
ソニーストア 大阪は、1976年4月に心斎橋にオープンしたショールームの「ソニータワー」が前身となっている。ソニータワーは2004年10月に閉館。同年11月には、梅田のハービスエントのオープンにあわせて、ソニースタイルストアとして移転。新たにストア機能を追加した。2008年11月にはサービス機能を追加する形でリニューアル。2010年2月にはソニーストアに名称変更した。
今年に入ってからも、4月、8月と相次いで店内をリニューアル。10周年に向けた準備を進めてきた。
ソニーストア 大阪の売り場面積は約200坪、来場者数は年間30万人となっている。
「ソニーストア 大阪の10周年記念イベントは、関西のソニーファンに喜んでもえるものにしたい」と、堺本店長は10周年イベントへの意気込みを語った。