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レプリケーション、重複排除、無制限スナップショットなど機能満載

スモールビジネスでも使えるZFSストレージ「ReadyDATA」のすごさ

2014年11月06日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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ネットギアの企業向けストレージは、ファイル共有用の「ReadyNAS」に加え、本格的なデータ保護機能を備えた「ReadyDATA」が用意されている。ネットギアジャパン CBUセールスエンジニアの渡部俊雄氏にReadyDATAのポイントを聞いた。

高い信頼性や性能を実現するZFSストレージ

 スモールビジネス向けのストレージといえば、使い勝手のよいReadyNASのような製品が思い浮かぶが、実際にはより高い可用性やデータ保護を求められることも多い。しかし、高度なデータ保護機能を搭載するエンタープライズクラスのストレージは高価で、使い勝手も初心者向けとは言い難い。

 これに対して今回紹介するReadyDATAはエンタープライズクラスの機能を低廉な価格で利用できる。iSCSIを用いたSANストレージのほか、CIFS/NFS/AFP/HTTP/FTPにも対応するユニファイドストレージなので、さまざまな用途で利用できる。

 では、ReadyNASとどこが違うのか? 一番違うのが搭載するOSとファイルシステムだ。ネットギアジャパン CBUセールスエンジニアの渡部俊雄氏は「ReadyNASがLinuxのBTRFS(B-tree file system)をベースにするのに対して、ReadyDATAはSolarisのZFSをベースとしています」と説明する。ReadyDATAで採用しているZFSでは、企業向けのストレージに必要なさまざまな機能をソフトウェアで実現している。

ネットギアジャパン CBUセールスエンジニア 渡部俊雄氏

 たとえば、ZFSではデータブロックへの書き込み時に、上書きせず、コピーを作って更新をかける「コピーオンライト(Copy on Write)」という方式を採用している。そのため、書き込みが完了しないと、変更自体が反映されないので、書き込み障害が起こらない。

 また、書き込み時にリードオンリーのスナップショットを取得できるため、障害時でも瞬時に変更前に戻すことができる。容量変更も容易で、ファイルサイズやファイル数が事実上無制限となっている。「今までのLinuxベースの製品だとRAIDでフォーマットかけると、容量によっては7~10時間にかかりますが、ReadyDATAではWebブラウザがリロードくらいで拡張できます」(渡部氏)。

DRに最適なレプリケーションに強み

 もとよりZFSは、汎用のディスクやストレージを使いながら、エンタープライズ仕様の高い信頼性や性能、拡張性を実現すべく開発されたという経緯がある。このZFSを搭載するReadyDATAは、低廉でありながら、エンタープライズ向けの数多くの仕組みをファイルシステムとして実装しているわけだ。

 ReadyDATAは機能面でも優れている。別筐体間でデータを同期するブロック単位のレプリケーションをサポートしているので、継続的なデータ保護が可能。「ファイル単位ではなく、細かい単位で、細かいタイミングで筐体間のデータのコピーがとれます。ですから、数秒単位でコピーも終了します」(渡部氏)。

 また、同じデータブロックを省くことで容量を節約する重複排除、物理容量より多いボリュームを仮想的に割り当てるシンプロビジョニング、書き込み読み出しを高速化するSSDのキャッシングなどエンタープライズ向けの機能が豊富に用意されている。しかもReadyDATAでは、これらの機能がハードウェアに含まれているため、追加費用は発生しない。「ハイエンドのストレージはライセンス別で結果高くなる場合も多いですが、ReadyDATAは箱とディスクだけ買ってもらえば、高度な機能が使えます」(渡部氏)

 最新のReadyDATA OS 1.4では、レプリケーションの機能が強化。WAN経由でのレプリケーションでは、初回同期に時間がかかってしまうが、バージョンアップによりLAN経由で初期データをコピーできるようになる(Repulication Seeding)。また、システム障害時に短時間でデータ復旧まで行なうレプリケーションのフェイルバック機能が追加された(Replication Failback)。

Reprication Failbackの機能

 こうした充実したレプリケーション機能を活用することで、ディスクでのデータ保護のみならず、拠点をまたいだデータ保護やDR(Disaster Recovery)が可能になる。拠点間でのデータ保護やDRというとソリューションとして高価になりがちだが、ReadyDATAであれば、比較的低廉な価格で実現できる。

デスクトップ型とラックマウント型の2モデルが用意

 2014年10月現在、ReadyDATAはデスクトップ型の「ReadyDATA 516」、ラックマウント型の「ReadyDATA 5200」の2モデルが用意されている。「ReadyNASはSATA HDDのみですが、ReadyDATAはSATA以外のさまざまなディスクが選択できます」(渡部氏)

 デスクトップ型のReadyDATA 516はインテルのIvy Bridge Core i3-3220 3.3GHz デュアルコアプロセッサー、16GBのECCメモリを搭載する潤沢なスペックのベアボーンで提供される。6つのベイを備えたベースユニットに、2/3/4TBの専用HDDのほか、100GBのSSDを組み合わせて搭載することで、ユニファイドストレージとして動作する。ネットワークインターフェイスは1Gbpsのポートを2つ搭載しており、リンクを冗長化しておくことも可能だ。本体価格も36万7200円 (税込)と導入しやすい価格だ。

デスクトップ型のReadyDATA 516

 ラックマウント型のReadyDATA 5200はインテルのXeon 2.66GHz クアッドコアプロセッサー、16GBのECCメモリを搭載したベアボーンで提供される。12のベイを備えるベースユニットに、4U・24ベイ拡張ユニット(EDA4000)を最大2台まで拡張可能。1/2/3/4TBのSATAドライブ、300/450/600GBのSASドライブ、1/2/3TBのNL-SAS HDD、50GBのライトキャッシュ用SSD、100/200GBのリードキャッシュ用SSDなどさまざまな幅広い種類のディスクが選択できるのも大きな売り。また、10Gbpsのネットワークインターフェイスを2つ搭載しているので、大容量のデータ伝送でも高い性能を実現する。

ラックマウント型のReadyDATA 5200

 低廉な価格でありながら、高い信頼性と性能を実現したReadyDATA。データ保護をきっちりやっておきたい、でもコストはかけられないという要望を持った企業に最適といえる。

(提供:ネットギア)

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