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ドワンゴもKADOKAWAもコンテンツを生んできた 角川歴彦会長

2014年10月15日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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8日、東洋経済主催のセミナー「大変革期に未来を語る! いま、メディアが面白い」にKADOKAWA 取締役 角川歴彦会長が登壇。メディア関係者に向けて、KADOKAWA・DWANGOの目指す姿、またインターネットや電子書籍プラットホームが出版業界やマスコミに与えた影響について語った。

 「メディアにも『流通』がある。新聞は配達員が配るし、出版も書店でモノが動いている」

 インターネットによって、メディアはどう変わるのか。各界を代表する識者たちに続き、KADOKAWA取締役 角川歴彦会長はいわゆるメディア論ではなく、経営者の立場から持説の「メディア産業論」を披露した。重要なのは「流通」の改革だという。


売れないのではない、売れる場所が変わったのだ

 出版物から電子書籍へ、アナログからデジタルへ。近年、雑誌の売れ行きが落ちている最大の原因は、メディアの変化に伴って「物流」が変わったためではないかと角川会長はみている。

 「(物流に)大きな革命が起きたのがインターネットだった」

 読者が雑誌の記事を読まなくなったのではなく、コンテンツ消費の中心がモバイルに移っている。自身の体験からも「以前は電車の中でもっと文庫や週刊誌を読んでいる人がいた」(角川会長)が、今では大半の乗客がスマートフォンでコンテンツを覗きこんでいると話す。

 実例としては、KADOKAWAがNTTドコモと組んではじめた雑誌の定額配信「dマガジン」は3ヵ月で契約52万人まで伸びているというデータを示す。iPhone 6の発売で伸びは加速したという。

 「雑誌は(モバイルで)読まれている。消費者がモノを買う、コンテンツを見る、メディアに接する。そこにモバイルを通さないというのが間違っていた。物流の問題と言ったのはここ」


KADOKAWAとドワンゴはどちらもプラットホーム

 10月1日にドワンゴと経営統合したKADOKAWA。ドワンゴとKADOKAWAではまったく別の業態のように見えるが、「プラットホーム」「コンテンツ」「コミュニティー」は共通していると角川会長は話す。

 メディアはコンテンツを読者に届けるための媒体で、プラットホームは書店のような流通の場。プラットホームにヒト・モノ・カネ・情報が集まり、コンテンツのまわりにコミュニティーができる。ドワンゴもKADOKAWAも、コミュニティーの上にコンテンツを生む点は同じだ。

 「僕のメディア論からいうと、コミュニティーのないメディアは成り立たない。テレビから流れるニュースはコミュニティーじゃないが、ニコニコで流れるニュースは一種のコミュニティー」

 KADOKAWAとドワンゴの2社それぞれが、アニメやゲームなどのサブカルチャーを核としたプラットホームで、メディア、コミュニティー、コンテンツを持っている。よく似た2社を統合することで強烈な補完関係が生まれ、進化したプラットホームができるはずだとする考えだ。

 「KADOKAWAのプラットホームは『メーカー発想』。一方、ニコニコのプラットホームは『ユーザー発想』で、技術も持っている。プラットホームを持つもの同士が一緒になったらどうなるか、というのが(統合の)テーマだった」


ソーシャル時代はメディアの文法が変わる

 印刷物・複製物の時代、マスメディアにとっては「100万」がヒットの単位だったが、インターネットの動画などは数千万単位のヒットが次々と生まれ、「マス」(大衆)の意味合いも薄れてきた。

 「最近、マスメディアの『マス』(大衆)という言葉を使いづらくなってきている。20世紀のメディアと21世紀のメディアでは、違う文法を使わないといけないんじゃないかと」

 前世紀、世論を形づくってきたのはマスコミと「知識」だが、ソーシャルメディアの登場とともに「情報」中心の時代へと変わっていくのではないかと角川会長。

 「『情報社会が来る』と言われていた1980年代の頃は『情報なんてくだらない』と思っていた。日本は知識がある、情報なんてなくても大丈夫だ、米国のように多様な民族がいて、初めて情報が必要になるんだと思っていた。しかし、それは大きな間違いだった」

 Changing Times, Changing Pubslishing(時代が変われば出版も変わる)が角川会長の持論。作家の五木寛之氏に「KADOKAWAはいつも新しい」と言われた、数年おきに新たな事業ポートフォリオを増やす経営モデル。ソーシャル時代、メディアビジネスの世界で大きく舵を切った。

 「ソーシャルメディアの時代には、メディアにも『ユーザー発想』が求められる。もう一度メディア(産業)論というものを考える必要があると思い、みなさんにお話をさせていただいた」


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