日本には古来から(というほど昔ではないようで、よく使われたのは明治時代のようだが)、「猫が香箱を作る」という言い方をする。
って書くとややこしそうだけど、要するに猫が両手両足を小さく畳んで丸くなってる姿が「香箱みたい」って誰かが言ったのだ。
香箱って香を入れる箱のことで、フタの中央が少し丸く膨らんでるものが多かったので、そこからつけられたのだろう。
猫が香箱を作る……香箱になる、じゃなくて「作る」ってところがなかなかしゃれてる。
日本国語大辞典によると「人が日向などで背を丸くして座っている様にもいう」とあり、1894年に書かれた尾崎紅葉の「紫」が例に出されている。
で、具体的にどういうの? というと、人によって微妙に定義が違うようだが、「両手両足を中にいれてコンパクトにまとまってくつろいでる姿」だ。
冒頭写真は小田原あたりで見つけた香箱座りの猫。
このように「両手両足が内側に隠れてる」「背中が丸い」のがミソ。
うちの「大五郎」がよくこのポーズをする。
左のだらーんとだらしなく寝そべってるのが「かふか」。右で両手(正確にいえば両前足)を器用に内側に畳んでるのが大五郎。
この前足が香箱のポイントで、一般に、両前足の肉球が地面についている状態は香箱とは言わない。
なぜこんな風に両前足を内側に器用に畳むのか不思議である。両足の肉球が地面についてた方がすばやく動けていいだろうにねえ。
ちなみに冬の方がよく見かける。まあこうしてた方が暖かいから当たり前か。
もう1枚大五郎。段ボールの上にいるから分かりづらいけど、香箱を作ってるのだ。
(次ページに続く、「一体両手はどんなふうになっているんだろう?」)
この連載の記事
-
第865回
デジカメ
4つのカメラを搭載したサムスン電子「Galaxy S24 Ultra」は猫の顔アップもピシッと撮れる -
第864回
デジカメ
”猫撮影の基本”第3弾! 背景やボケ具合をコントロールするとよりイメージどおりの写真が撮れる -
第863回
デジカメ
”猫撮影の基本”第2弾! 広角と望遠の特性を知って使い分けると写真のバリエーションがぐっと広がる -
第862回
デジカメ
構える高さを工夫すると猫写真は大きく変わる! 新年度なのであらためて猫の撮り方ノウハウをご紹介 -
第861回
デジカメ
10年前に撮った猫とまさかの再会! 数年ぶりに出会っていた猫たちの写真をライブラリーから探し出した -
第860回
デジカメ
膝の上で気持ちよさそうにしている猫を親指シャッターやアクロバティックな体勢で自撮り! -
第859回
デジカメ
富士フイルム「X100VI」は発売前から大人気! 歴代「X100シリーズ」で撮った猫写真を集めてみた -
第858回
デジカメ
ぱぱっと設定できて程良い距離感で猫が撮れる! 富士フイルム「X100VI」は楽しい趣味カメラだ -
第857回
デジカメ
噛んだり、テレビを見たり、眠ったり……うちの黒猫ミルならではの瞬間を狙ってみた -
第856回
デジカメ
望遠に強い「OM SYSTEM OM-1 Mark II」+100-400mmレンズで寝ている猫を“どアップ”で撮影 -
第855回
デジカメ
ロゴが「OM SYSTEM」に変わった「OM-1 Mark II」を持って早速猫撮影へ - この連載の一覧へ