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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第370回

王道の体勢!? 「猫が香箱を作る」という言葉通りの猫写真

2014年08月29日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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トラックの脇で両手両足を小さく畳んでくつろいでた白猫。私の気配を感じてか目を半分開けちゃったのが残念。もうちょっとくつろいでてほしかった(2012年4月 オリンパス OM-D E-M5)

トラックの脇で両手両足を小さく畳んでくつろいでた白猫。私の気配を感じてか目を半分開けちゃったのが残念。もうちょっとくつろいでてほしかった(2012年4月 オリンパス OM-D E-M5)

 日本には古来から(というほど昔ではないようで、よく使われたのは明治時代のようだが)、「猫が香箱を作る」という言い方をする。

 って書くとややこしそうだけど、要するに猫が両手両足を小さく畳んで丸くなってる姿が「香箱みたい」って誰かが言ったのだ。

 香箱って香を入れる箱のことで、フタの中央が少し丸く膨らんでるものが多かったので、そこからつけられたのだろう。

 猫が香箱を作る……香箱になる、じゃなくて「作る」ってところがなかなかしゃれてる。

 日本国語大辞典によると「人が日向などで背を丸くして座っている様にもいう」とあり、1894年に書かれた尾崎紅葉の「紫」が例に出されている。

 で、具体的にどういうの? というと、人によって微妙に定義が違うようだが、「両手両足を中にいれてコンパクトにまとまってくつろいでる姿」だ。

 冒頭写真は小田原あたりで見つけた香箱座りの猫。

 このように「両手両足が内側に隠れてる」「背中が丸い」のがミソ。

 うちの「大五郎」がよくこのポーズをする。

右の四角くなってるのが大五郎。きように両手を丸めているのがポイント(2012年12月 オリンパス XZ-2)

右の四角くなってるのが大五郎。きように両手を丸めているのがポイント(2012年12月 オリンパス XZ-2)

 左のだらーんとだらしなく寝そべってるのが「かふか」。右で両手(正確にいえば両前足)を器用に内側に畳んでるのが大五郎。

 この前足が香箱のポイントで、一般に、両前足の肉球が地面についている状態は香箱とは言わない。

塀の上に座ってる猫。よく見ると両前足が下にぴたっとついてるので、香箱とは言わない。言ってもいい気はするけど、一般的に言わない(2014年6月 ニコン Nikon1 V3)

塀の上に座ってる猫。よく見ると両前足が下にぴたっとついてるので、香箱とは言わない。言ってもいい気はするけど、一般的に言わない(2014年6月 ニコン Nikon1 V3)

 なぜこんな風に両前足を内側に器用に畳むのか不思議である。両足の肉球が地面についてた方がすばやく動けていいだろうにねえ。

 ちなみに冬の方がよく見かける。まあこうしてた方が暖かいから当たり前か。

 もう1枚大五郎。段ボールの上にいるから分かりづらいけど、香箱を作ってるのだ。

アマゾン箱と香箱の二段重ね。大五郎はこういう座り方をよくするのだ(2014年6月 パナソニック LUMIX DMC-GH4)

アマゾン箱と香箱の二段重ね。大五郎はこういう座り方をよくするのだ(2014年6月 パナソニック LUMIX DMC-GH4)

(次ページに続く、「一体両手はどんなふうになっているんだろう?」)

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