D-Corderでコードを生成し
M-Coderでコードを貼り付ける
Coder Kitは、ジッパー開閉式のCDケースに入ってデリバリーされる。マニアが起業したようなmatch Technicalという企業は、カメラ関連のニッチビジネスシーンで極めて面白い商品企画と商品投入を行なっている。
CDケースのジッパーを開くと、簡単な1枚の説明書と、星座早見盤のような「D-Coder」、防護具の“さすまた”のような格好をした「M-Coder」、そしてなぜか国産筆記具の雄である「マッキー」が現われる。
デジタル世代のLeicaレンズには、バヨネットリング部分に出荷時から6ビットコードがマーキングされている。一方、アナログ世代のLeicaレンズには6ビットコードがないので、ユーザーはレンズ交換をするごとに、レンズ検出設定をマニュアル操作に切り替え、自分でカメラ内部に登録された過去のレンズリストから最適のレンズを選択する必要がある。
豊富なレンズ資産とレンズ交換がアドバンテージのLeicaのデジカメであるがゆえに、レンズ交換のたびにこの作業をするのは慣れていても極めて面倒だ。できればレンズ検出は常に手間のかからない“オート設定”にしておきたいものだ。
Coder Kitは、D-CorderおよびM-Coderと呼ばれる2つの道具から成り立っている。D-Coderは、アナログ世代のクラシカルで価値あるレンズとカメラ内部のレンズ特性データを紐つける最適の6ビットコードを見つけ出す。
そしてM-Coderは、物理的にマーカーされていないオールドレンズのバヨネットリングに6ビットコードパターンを確実にマーキングできる位置決めを行なう道具だ。
方法は極めて簡単だ。まず、D-Coderを取り出し、6ビットコードを知りたいレンズ名称を小窓の中に見えるようになるまで円盤を回転させる。今回は、筆者の愛用レンズで、ほかの愛用レンズと共に頻繁に交換使用する1959年製の第一世代「Leica Summilux 50 F1.4 」を使用。レンズ名称が写真右側の横長の窓に正しく表示されると、左反対側の窓には、目的のレンズに対応する6ビットコードのパターンが表示される。
次に、この6ビットコードパターンを実際のレンズのバヨネットリング上にマーキングする。この時の位置合わせは精度が要求されるので、M-Coderが必要になってくる。
M-Coderの裏側には、レンズ側のバヨネットリング上にある凹面の「LENS LOCKING CHANNEL」と同サイズの凸面のマーカーが用意されているので、この2つがカチッと噛みあう位置まで、バヨネットリング上にはめたM-Coderを回転させ、正確な位置決めを行なう。
M-Coderの固定位置が決まれば、マッキーの極細側のペンでD-Coderが示したマーカー位置にペン先で間違わずに塗る。なんとなく不安だが、これで6ビット対応のマーキングは終了だ。では、実際にLeicaデジカメにレンズを装着して確実に自動認識がされているかどうか確認してみよう。
まず、Leica Mのメニュー設定で、「レンズ検出」を「オート」に設定する。いつも通りに、先程マッキーでマーキングしたLeica Summilux 50 F1.4 をマウントして、撮影モード(ライブビュー)状態で、カメラ背面の「INFO」ボタンを押してみる。
すると、画面上に「1.4/50mm」と表示され、先ほどの手書きのマーカーが確実に読み取られていることが理解できる。そして、このレンズ種類は、撮影データのExifとしても記録される。
(次ページに続く、「L→Mマウントアダプターでの使用には若干注意が必要」)
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