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T教授の「戦略的衝動買い」 第296回

昔のLeicaレンズを最新モデルで自動認識! 「Coder Kit」を衝動買い

2014年08月20日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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D-Corderでコードを生成し
M-Coderでコードを貼り付ける

Coder Kitの中身は、取説と星座早見盤のような「D-Coder」、防護具の“さすまた”のような「M-Coder」そして日本製筆記具の「マッキー」が……

 Coder Kitは、ジッパー開閉式のCDケースに入ってデリバリーされる。マニアが起業したようなmatch Technicalという企業は、カメラ関連のニッチビジネスシーンで極めて面白い商品企画と商品投入を行なっている。

 CDケースのジッパーを開くと、簡単な1枚の説明書と、星座早見盤のような「D-Coder」、防護具の“さすまた”のような格好をした「M-Coder」、そしてなぜか国産筆記具の雄である「マッキー」が現われる。

デジタル世代のLeicaレンズ(左)には6ビットコードがはじめからついているが、アナログ世代のオールドレンズ(右)には何のマーカーもない

デジタル世代のLeicaレンズ(左)には6ビットコードがはじめからついているが、アナログ世代のオールドレンズ(右)には何のマーカーもない

左側のレンズと同じように右側のレンズにもマーカーを付けたいが、一筋縄ではいかない

左側のレンズと同じように右側のレンズにもマーカーを付けたいが、一筋縄ではいかない

6ビットコードのないアナログ世代のレンズを最新のLeicaデジカメで使う場合は、毎回メニューでマニュアルレンズ検出を選択し、該当するレンズを選択確定しなければならない。別のレンズに交換時には、またその都度、最適な検出方法に設定が必要

6ビットコードのないアナログ世代のレンズを最新のLeicaデジカメで使う場合は、毎回メニューでマニュアルレンズ検出を選択し、該当するレンズを選択確定しなければならない。別のレンズに交換時には、またその都度、最適な検出方法に設定が必要

 デジタル世代のLeicaレンズには、バヨネットリング部分に出荷時から6ビットコードがマーキングされている。一方、アナログ世代のLeicaレンズには6ビットコードがないので、ユーザーはレンズ交換をするごとに、レンズ検出設定をマニュアル操作に切り替え、自分でカメラ内部に登録された過去のレンズリストから最適のレンズを選択する必要がある。

 豊富なレンズ資産とレンズ交換がアドバンテージのLeicaのデジカメであるがゆえに、レンズ交換のたびにこの作業をするのは慣れていても極めて面倒だ。できればレンズ検出は常に手間のかからない“オート設定”にしておきたいものだ。

D-Coderで6ビットパターンを探し出し、M-Coderで位置決めをし、マッキーで6ビットマーカーを塗る。たったその3ステップで過去のレンズも自動認識できる

D-Coderで6ビットパターンを探し出し、M-Coderで位置決めをし、マッキーで6ビットマーカーを塗る。たったその3ステップで過去のレンズも自動認識できる

 Coder Kitは、D-CorderおよびM-Coderと呼ばれる2つの道具から成り立っている。D-Coderは、アナログ世代のクラシカルで価値あるレンズとカメラ内部のレンズ特性データを紐つける最適の6ビットコードを見つけ出す。

 そしてM-Coderは、物理的にマーカーされていないオールドレンズのバヨネットリングに6ビットコードパターンを確実にマーキングできる位置決めを行なう道具だ。

Coder Kitがあれば、アナログ第一世代の「SUMMILUX-M 1:1.4/50mm」にも簡単に6ビットコードを書き加えることが可能だ

Coder Kitがあれば、アナログ第一世代の「SUMMILUX-M 1:1.4/50mm」にも簡単に6ビットコードを書き加えることが可能だ

まず最初にやることは、円盤を回転させてSUMMILUX-M 1:1.4/50mmレンズを見つける

まず最初にやることは、円盤を回転させてSUMMILUX-M 1:1.4/50mmレンズを見つける

その時、左側に表示される6ビットパターンをM-Coderを使ってレンズのバヨネットリング上に書き加える

その時、左側に表示される6ビットパターンをM-Coderを使ってレンズのバヨネットリング上に書き加える

 方法は極めて簡単だ。まず、D-Coderを取り出し、6ビットコードを知りたいレンズ名称を小窓の中に見えるようになるまで円盤を回転させる。今回は、筆者の愛用レンズで、ほかの愛用レンズと共に頻繁に交換使用する1959年製の第一世代「Leica Summilux 50 F1.4 」を使用。レンズ名称が写真右側の横長の窓に正しく表示されると、左反対側の窓には、目的のレンズに対応する6ビットコードのパターンが表示される。

M-Coderは位置合わせが重要なので、レンズ本体のLens-Locking Channelのくぼみを利用する

M-Coderは位置合わせが重要なので、レンズ本体のLens-Locking Channelのくぼみを利用する

レンズのバヨネットリング上にのっけたM-CoderのMakerの出っ張りが合うように回転させる

レンズのバヨネットリング上にのっけたM-Coderの出っ張り(マーカー)が合うように回転させる

レンズ本体のLens-Locking ChannelのくぼみとM-CoderのMakerの出っ張りがカチッと合うところが正しいポジションだ

レンズ本体のくぼみとM-Coderの出っ張りがカチッと合うところが正しいポジションだ

 次に、この6ビットコードパターンを実際のレンズのバヨネットリング上にマーキングする。この時の位置合わせは精度が要求されるので、M-Coderが必要になってくる。

 M-Coderの裏側には、レンズ側のバヨネットリング上にある凹面の「LENS LOCKING CHANNEL」と同サイズの凸面のマーカーが用意されているので、この2つがカチッと噛みあう位置まで、バヨネットリング上にはめたM-Coderを回転させ、正確な位置決めを行なう。

位置決めが終わったら、マッキーの極細ペンでD-Coderの示している6ビットコードのマーカーの通りに塗る

位置決めが終わったら、マッキーの極細ペンでD-Coderの示している6ビットコードのマーカーの通りに塗る

マニアも認めたマッキーの力は偉大で、チョットくらいでは消えない

マニアも認めたマッキーの力は偉大で、チョットくらいでは消えない

これでレンズ検出は“オート”でも確実にオールドレンズを識別してくれるはずだ

これでレンズ検出は“オート”でも確実にオールドレンズを識別してくれるはずだ

 M-Coderの固定位置が決まれば、マッキーの極細側のペンでD-Coderが示したマーカー位置にペン先で間違わずに塗る。なんとなく不安だが、これで6ビット対応のマーキングは終了だ。では、実際にLeicaデジカメにレンズを装着して確実に自動認識がされているかどうか確認してみよう。

マッキーでマーキングした1959年製の「SUMMILUX-M 1:1.4/50mm」レンズをマウント

マッキーでマーキングした1959年製の「SUMMILUX-M 1:1.4/50mm」レンズをマウント

Leica MはこのレンズをF1.4/50mmと正しく認識している

Leica MはこのレンズをF1.4/50mmと正しく認識している

 まず、Leica Mのメニュー設定で、「レンズ検出」を「オート」に設定する。いつも通りに、先程マッキーでマーキングしたLeica Summilux 50 F1.4 をマウントして、撮影モード(ライブビュー)状態で、カメラ背面の「INFO」ボタンを押してみる。

 すると、画面上に「1.4/50mm」と表示され、先ほどの手書きのマーカーが確実に読み取られていることが理解できる。そして、このレンズ種類は、撮影データのExifとしても記録される。

(次ページに続く、「L→Mマウントアダプターでの使用には若干注意が必要」)

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