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超新米編集者のルクセンブルク&フランス滞在記

ヨーロッパで出くわした「三大事件」

2014年07月22日 07時00分更新

文● 腰 裕人/アスキークラウド編集部

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パリのビストロで「通訳事件」

 ルクセンブルクで5日間を過ごしてフランスのパリへ。到着してすぐ、別道でフランス入りしていた弊社のスタッフと合流して、エッフェル塔の近くにある有名ビストロへ行った。

 海外慣れしていない者らしく(?)全員で同じ「本日のお薦めコース」を食べていると、隣の席で日本人とおぼしきカップルが、店員のおばちゃんと言い争いを始めた。触らぬ神に祟りなし。そっとしておこうと思っていたら、店員のおばちゃんが筆者の肩をぽんぽんと叩いて、「日本人でしょ。通訳して」と困り顔で手を引いてくる。何で、日本人だとバレたんだ……まぁ、こんな格好をしていれば当たり前か。

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「言葉ができなくても掴みはばっちりだろう」と着ることになった和服。

 仕方なく日本人のカップルに事情を聴いてみると、「料理がぬるくて美味しくない」「前に来た時はもっと美味しかった」「メニューを選ばせてもらえず、お薦めメニューに勝手になった」「もうこれは食べれらないから、別のメニューにしてほしい」などなど。

 そして、「英語もフランス語も話せないので、今言ったことを伝えて」ときたものだ。日本でもクレームを言ったことがない筆者が、まさか海外でクレームの通訳をするハメになるとは夢にも思っていなかった。

 通訳しなければ話が進みそうにないので、店員のおばちゃんに悪いと思いながらも「この料理がぬるいから別の料理に変えてほしい」と、中学生レベルの英語で伝えると「違う料理にはできない。厨房で温めてくる」という。それはそうだな。

 すると、今度は女性が「私はもうこれは食べたくない。違うものにしたい。メニューがほしい」とまくしたてる。一方でおばちゃんは「温めれば食べれるでしょ」と……。ハッキリ言ってめんどくさい!

 これは時間がかかりそうだと思い、「この料理ははまずいと思う」と女性が言ったのを「She is bad.」とおばちゃんに伝えた。この程度でも女性にもバレなそうだ。するとおばちゃんは、困った顔から笑顔になり、私の腕あたりを叩きながら「OK」と短く答え労ってくれた。フランスに来て優しさを感じた瞬間である。

 その後、おばちゃんは英語メニューを持ってきたのだが、女性が筆者を呆れさせるひと言を発する。

「私たち英語読めないんですけど、お薦めの料理はありますか?」

 えっ!? 筆者にそれを聞くのか!? お薦めを注文して、さっき失敗したのではないのか!? もしかして、また口に合わなかった時に、責任を筆者に押し付けるための口実なのか!? 気力をそがれてしまい「先ほどフランスに着いたばかりなので、お薦めは分からないですね」と苦笑い。男性は申し訳なさそうに「ありがとうございます」と言ってくれたが、海外に出るときの態度としてはいかがなものかと思った。言葉をマスターするのは難しいにしても、スマホに翻訳アプリを入れるなり、『旅の指さし会話帳』(情報センター出版局刊)シリーズを持ち歩くなり、コミュニケーションを取るための最低限の礼儀をわきまえたほうが良いのではなかろうか。

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カップルとは異なり、このお店で筆者は全ての料理を美味しくいただきました。特にチョコレートケーキが絶品でした。

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