手間のかからない「オートリバースのダブルカセットデッキ」
まず平成世代向けに説明しますと、この「ダブルカセットデッキ」というものは、カセットテープをコピーするためのものです。W-890RmkIIには、カセットテープの録再システムが2系統入っており、片方の「TAPE I」で再生しながら、それを「TAPE II」で録音します。
こうしたダブルカセットデッキは「録音しておいたFM番組を編集してマイ・ベストテープを作る」といったものから、「録音したテープを友だちにあげる」「友達から借りたテープをダビングする」といった、今だったらどこぞの団体さんが血相変えて飛んできそうなニーズを満たすためにありました。
うらやましいですか? まあ、そうでもないですよね。カセットテープは磁気でアナログ的に音声を記録するので、その信号をコピーする際には必ず信号の劣化が生じます。だから大目に見てもらえたというところもあるのでしょう。
で、話を戻しまして、カセットテープにはアナログレコードのように、A面とB面があります。A面が終わったら、手動でカセットテープを取り出して裏返し、B面を表にして入れなおす。そしてまた録音、あるいは再生ボタンを押すというのが普通の操作です。文字通り、手間がかかります。
ですが「オートリバース」はカセットテープを入れっぱなしでOK。A面の録再が終わったら、自動的にヘッドが180度回転し、またテープの回転方向が逆転してB面の録再が始まります。
(次ページでは、「オートリバースとダブルカセットを生かした便利な機能」)
