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多数の同時接続に対応した新製品「LV-2000」を投入

スタジアム規模でもOK!エクストリコムの無線LANルーター

2014年07月16日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月15日、エクストリコムジャパンは、大型施設向けの無線LANルーター「LV-2000」を8月から販売開始することを発表した。最大1万6000台の同時接続が可能で、スポーツ施設やライブ会場、大会議場などでの利用に最適だという。

AP間の干渉のないチャネルブランケットを展開

 エクストリコムは2002年に設立されたイスラエルのワイヤレス専業ベンダーで、スイッチとアクセスポイント(AP)を組み合わせたエンタープライズ無線LANのソリューションを提供している。日本法人のエクストリコムジャパンは2007年に設立され、今年で8年目。エクストリコムジャパン 営業本部長 安藤博明氏は「日本では病院と大学を中心に約300ユーザーを獲得している」と語る。

エクストリコムジャパン 営業本部長 安藤博明氏

 エクストリコム独自の「チャネルブランケット」技術では、端末増加による通信速度の低下やAP間の電波干渉、ローミング時の帯域の消費といった無線LAN事課題を解消できる。エクストリコムの製品は、通常AP側で行なう処理をすべてスイッチ側で行ない、APはアンテナとしてふるまう。これにより、AP間の電波の出すコントロールをスイッチ側で詳細に制御し、複数のAPをつなげたを単一の通信エリア(=ブランケット)として扱うことができる。ブランケット内ではAP間の干渉がなく、つねに最適なAPと通信が行なえる。電波干渉を気にしないで済むため、AP設置の自由度が高く、チャネル設計がきわめて容易という特徴を持っている。

エクストリコム独自のシングルチャネルのブランケット

 エクストリコムのブランケット内では、端末側が常時複数のAPとリンクを張っており、通信速度の低下とともに最速のハンドオフを実現。一方、ダウンロードに関してはパケットごとに最適なAPを選択しており、通信速度が低下しないようになっている。さらにIEEE802.11aや11gなど異なった規格のブランケットを複数重畳することで、電波を有効活用することが可能になっている。

ヨーロッパ最大のアリーナなどで実績多数

 今回投入されたLV-2000は、スポーツや音楽、商業イベントなど数万~数十万のビジターの利用を前提とした高密度型のワイヤレス製品になる。

新製品の「LV-2000」とAP

 こうした環境では、数多くのデバイスが同時に接続し、電波を奪い合い、通信不能な状態になってしまう。特に無線LANに最適化されていないiOSデバイスの場合、帯域の消費が激しいとのこと。エクストリコム マーケティング&プロダクト・マネジメント担当バイスプレジデント ハイム・ラポポート氏は「Facebookのアップデートで比べると、iOSはAndroidに比べて約2倍データ量を消費する」と指摘する。

 とはいえ、マルチチャネルを用いる他社の製品には、いくつかの課題があるという。デバイスの数に応じて、APを設置すると、非常にコストがかかるという点。ラポポート氏は、「シスコの場合、同一チャネルの干渉があるので、スタジアムで設置するAPは1000~1400に上る。これでは経済効率が悪い」と指摘する。また、マルチキャストのインプリメンテーションが十分ではないため、ビデオとリプレイに悪い影響を与えてしまうという。そして、そもそもIEEE802.11の標準規格自体が、こうした高密度で広範囲な通信を想定していないのも課題だ。

マルチチャネルの他社製品では数多くのAPが必要。

 これに対してLV-2000では、こうした大規模環境でもストレスのない無線LAN環境を実現するという。特許取得済みのアルゴリズムにより、モバイルデバイスによって生成されるノイズを低下させるのに加え、シングルチャネルならではの利点を生かし、APの数も大幅に減らすことが可能だ。また、FPGAでハードウェア処理することで、無線LANスイッチに集中する負荷を大幅に軽減している。

 LV-2000は最大16のAPを接続でき、最大1万6384台のモバイルデバイスの接続をカバーする。大規模での利用に最適化したソフトウェアを搭載するほか、指向性の高い外部アンテナをサポートするという。

 すでにヨーロッパ最大となるマンチェスターの「MEN Arena」のほか、米ヒューストンの「Toyota Center Houston Rockets」、IT業界ではおなじみのラスベガスの「Sans Expo and Convetion Center」などのイベント施設の他、ホテルや教育機関、会議施設などで幅広い導入実績があるという。

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