成功のキモはサーバーにあり
ギルランデの立ち上げに当たり、中村氏がまず優先させたのが、強力なITインフラを構築できる人材の獲得だ。
「昨今のソーシャルゲームビジネス情勢を通じて、ソーシャルゲームにまだまだ大きな可能性があることは理解していたので、そのビジネスから会社をスタートさせることは最初から決めていました。そこで最重要課題となったのが、サーバーサイドのインフラをどう強固にするかです」と中村氏は振り返り、こう続ける。
「ソーシャルゲームのキモはサーバーです。この部分が弱いと、どんなに面白くてもプレーヤーにストレスを感じさせてしまい、成功しない。ですから、優秀なインフラの技術者を必死に探しました」
こうして中村氏が探し当てたのが、現在ギルランデの技術責任者を務める廣瀬一海氏だ。廣瀬氏は、名実ともに国内トップクラスのITエンジニア。キャリアの原点はリナックスを扱うサーバーエンジニアだが、後にウィンドウズプラットホーム、クラウドへと守備範囲を拡張。現在は日本で十数名のみが保持するマイクロソフト ウィンドウズ アジュールの現役MVP(モスト バリュアブル プロフェッショナル)だ。
そんな廣瀬氏の存在を知人の紹介で知った中村氏は、すかさずリクルーティングを敢行。両氏の付き合いは深まり、廣瀬氏はギルランデに参画。ソーシャルゲームのインフラとして迷わずクラウドのウィンドウズ アジュールを選択した廣瀬氏は言う。
「ソーシャルゲームのトラフィックは、大量で変動も激しく、ピークが想定をあっさり超えることもしばしばです。そんなシステムのインフラをオンプレミスで構築しようとすれば、時間やお金がいくらあっても足りない。その点クラウドならば、われわれのような小さなスタートアップでも、ソーシャルゲームのための強力なインフラを手にし、アイデアや創造力を自由にカタチにできるんです」