ビッグデータの利活用により市場を拡大させている業界がある。クラウドストレージサービスだ。
IDC Japanが27日に発表したレポートでは、国内Storage in the Cloud市場(=パブリッククラウドサービスとして提供されるストレージ従量課金サービスの市場)の2012年までの売上実績と、13~17年の売上予測の推移をまとめている。これによると、同売上が12年は前年同期比は38.5%増の114億6900万円となった。その後の売上見込みは、13年が161億600万円で、14年は200億円、16年には300億円を突破。17年は400億円超の423億5400万円と予測した。
12年から17年までの年間平均成長率は29.9%。このように成長が持続する背景に考えられるのは、PaaS(Platform as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)を中心にクラウドストレージサービスが一般化してきた点。また、ファイル保存/共有/転送サービス、オンラインバックアップサービスなどの分野でも今後、安定した需要が見込まれるという。
さらに同市場の拡大を後押しする要因に挙げられるのがビッグデータ。データを見直し、分析することでビジネスに役立てようという傾向が企業等のなかで高まっているが、ビッグデータ利活用のプロジェクトでクラウドサービスを利用し、プロジェクト失敗のリスクを抑えようとする考えが広がってきた。その1つとして、クラウドストレージサービスを利用したデータ分析を試みるユーザーが増えているという。
これは逆に、クラウドストレージサービスのさらなる進展によりビッグデータ利活用の動きが活発化する可能性も示唆している。クラウドストレージサービスとビッグデータは互いに成長をうながすウィン-ウィンの関係にあるようだ。