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ソニーのDSDレコーダー「PCM-D100」を分解してこだわりを解説!

2014年02月17日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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マイクはギリギリまで試行錯誤

クロックの制御回路にはプログラマブルなFPGAを採用

クロックの制御回路にはプログラマブルなFPGAを採用

 A/Dコンバーター、D/Aコンバーターともに変換時のクロックのジッターを低減するため、制御用回路はマスタークロックで同期をとり、それぞれのコンバーターにクロックを分配。これによりジッターを抑制して音質劣化を抑えている。

製品のマイクと開発段階のマイク。製品版は(見比べても分からないほどだが)若干細くなっている

製品のマイクと開発段階のマイク。製品版は(見比べても分からないほどだが)若干細くなっている

 本体上部についている2つの可動式マイクも開発に苦労したものの1つ。マイクの口径は15mmだが、開発当初はもう少し太かったとのこと。

 これにより従来機よりも感度はアップし、周波数特性も40kHz近くまで広げられたが、よりフラットな特性にするため、ギリギリまで試行錯誤を繰り返した。結果としてマイクを細くすることで解決したそうだ。

リニアPCMレコーダーとしてではない
新しい活用法を提案

奥のレコ―ドプレーヤーで再生した音を手前のPCM-D100で録音。レコードプレーヤーからの音と録音したDSDファイルの音を聴き比べてみたが、(普段あまりいい環境で音楽をたしなんでいない)筆者にはその違いはまったく分からなかった

奥のレコ―ドプレーヤーで再生した音を手前のPCM-D100で録音。レコードプレーヤーからの音と録音したDSDファイルの音を聴き比べてみたが、(普段あまりいい環境で音楽をたしなんでいない)筆者にはその違いはまったく分からなかった

 この製品に関する率直な疑問としてよく尋ねられるのは「これで何を録音すればいいのか」ということ。ダイナミックレンジが広い音というと、音楽ライブや鉄道(蒸気機関車)の音などが思い浮かぶが、自然の環境では過度に音が大小するシチュエーションは少ない。

 そこで橋本氏が提案するのは、LPレコードを外部入力で録音し、DSDとしてアーカイブすること。また、LPレコードは持っていないという人に対しても、CDをアップサンプリングしてアーカイブすることを提案。PCM-D100は最大4倍のアップサンプリングが可能で、CD音源であれば44.1kHzの4倍、つまり176.4kHzで保存できる。

 これにより、古いLPやCDを高音質なデジタル音源として保存し、いつでも気軽に聴けるようにしておける。リニアPCMレコーダーとしてだけではなく、古い音源をデジタル化する“変換装置”としての役割も担えるとのことだ。

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