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「安心・信頼・高品質」に本気なNTTスマートコネクト 第2回

業務システムのクラウド化を実現するVPSという選択肢

スマートコネクトVPSで「持たない選択」をした日本空調サービス

2014年02月26日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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ハードウェアにまつわる心配や手続きがなくなる

 スマートコネクトVPSを選択した理由について、辻氏は、「当初はデータセンターを借りて、サーバー運用しようと思ったのですが、サーバーを持たないで基幹システムを構築できますと、NTT西日本の営業さんにスマートコネクトVPSをご提案いただいたのです。この提案の『ハードウェアを心配しなくてよくなる』という点を大きく買って、サービスを選定しました」と語る。データセンターを借りれば、電源や空調、入退室などサーバー室の管理自体が不要になり、建物自体の堅牢性や自然災害への備え、セキュリティなどのメリットも得られる。VPSを導入すれば、こうしたメリットに加え、ハードウェア償却や維持コストを経費化でき、ハードウェアの故障を心配しないで済む。これがVPS選定の最大の理由だ。

日本空調サービスの本社屋

 信頼性やバックアップなどを考えても、VPSの選択は理にかなったものだ。現在のシステムは予算の都合上、バックアップ機がないため、停止すると全社の業務を止めて、復旧作業に当たる必要がある。これに対して、スマートコネクトVPSであれば、今のシステムをそのままVPSに移行しても、可用性やバックアップのレベルは確実に高くなると目論んでいる。もちろん、ハードウェアの更新が不要という点も大きい。「保守期間の過ぎたハードウェアを買い換えるため、稟議や予算化が必要ですが、VPSになると、こうした作業が不要になります」(辻氏)。

「イーブンだったら持たない方がよい」のコメント

 辻氏といっしょにリプレース作業を手がける情報システム室 システムチームリーダー 後藤敦也氏は、サーバー自体をユーザーや拠点に合わせて縮退できるという点をメリットとして挙げる。「いくら動いているサーバーに気を遣っても、メモリやディスクの不足はいかんともしがたい。止めないで増設する作業はコストも高いので、契約1つでスペックを向上できるVPSのメリットは大きいと思います」と語る。辻氏は、「ハードウェアにまつわる心配や手続きをしないで済むという開放感。これは何者にも代え難い」と管理者としてのメリットをこうまとめる。

日本空調サービス 情報システム室 システムチームリーダー 後藤敦也氏

 そしてVPSの導入に際して大きかったのは、利用料金を月額で支払うというクラウド型のモデルに対して、経営陣の理解が早かったことだという。もともと同社は、建物設備の保守管理に関わるビジネスを展開しているため、ハードウェアを持つことが、初期コストを上回る維持管理コストを生むことを身にしみて理解しているという。辻氏は、「年間契約が多い空調の設備管理サービスを本業にしているため、経営陣はおしなべてランニングコストでならすことに対する理解があります。サーバーを持たないで済みますと話したら、それはいいなとすぐ賛同してもらいました」と説明する。多くの人のイメージと異なり、クラウドサービスは必ずしも安価な選択というわけではない。辻氏も、オンプレミス型とクラウド型で導入・運用のコストまで比較した結果、必ずしもクラウド型が安いという結論には至らなかったが、「『イーブンだったら、持たない方がいいぞ』と社長に言われ、腹は固まりました」と語る。

 では、数あるVPSの中で、なぜNTTスマートコネクトのVPSを選択したのか? 辻氏は「会社の基幹システムとデータをすべて預けるわけですから、預け先に信用がなければなりません。その点、NTT西日本やNTTスマートコネクトは十分信頼に足るべきパートナーだと判断しました」と語る。その背景には、NTTというブランドもさることながら、以前からのネットワークでの実績があるという。「(NTTと契約している)ネットワークにはすでに重要なデータを流しています。VPSは、それがサーバーに延長したというイメージなんです」(辻氏)とのことだ。

2016年にはサーバー室からサーバーがなくなる?

 同社は2012年11月にスマートコネクトVPSの選定を決定し、2013年1月から徐々にサーバーを移行している。Windowsの更新管理サーバーであるWSUS、資産管理用のサーバーを移行しつつ、シングルサインオンを目指したLDAPサーバーなどをVPS上に構築。昨年末からは消費税増税を見据え、先んじて会計システムをVPS上にリプレースしている。後藤氏も、「もともと仮想化のシステムを検証していたので、仮想化だからという違和感はありません。また、テープの交換や物理的な再起動以外、サーバー室に入ることもなかったので、運用に関してはVPS移行後も特に変わりません」と語る。

 今後、2016年を見越して、会計システムをのぞく残りの基幹システムまで、リプレース作業を進める。プロジェクトを円滑に推進するため、NTT西日本とNTTスマートコネクトにインフラだけでなく、システム構築や全体のコーディネートまでを依頼。システムのクラウド化に万全の体制をとっているという。「2016年の時点では、NASや一部の開発環境などを残して、サーバー室からサーバーはなくなる予定です」とのこと。スマートコネクトVPSが実現した「持たない選択」の行く末を、ぜひ見守っていきたいところだ。

(提供:NTTスマートコネクト)

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